第32話 オリハルコン事件 いち



………………

…………

……



 ミッドラル王国の市場に向かうレンたち。ミッドラル王国の南門をくぐると……


「ん? なんか落ちてね?」

「そだな、相棒」

「ほんとだー」


 金色をした石の塊がころりと転がっていた。


「メルル、魔法で鑑定してくれ」

「え? 無理」

「なんで?」

「だって鑑定魔法知らないもん」

「えー」


 レンはがっかりしていると、スラのんが口を開く。


「これ、オリハルコンじゃない?」

「え?」

「たぶんね」

「この金色の石の塊が? んー、そう言われるとそんな気がするな」

「ちょっと待って、なんでオリハルコンがこんなところに転がってんのよ」

「まあ、そうだなあ」

「相棒、鍛冶屋に持って行けば?」

「んーそおだな」


 レンはぴかりと光る石の塊を持ち……、持ち上げ……、持ち上げられなかった……。


「お、おっもーっ!」

「おいもーっ!」

「ちゃうわ、スラのん……」

「何やってのよ二人とも」


 メルルはオリハルコンをひょいと持ち上げた。


「「え? えええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」」


 レンとスラのんは顎を外すほど驚いた。



「な、なんでこんなに重いオリハルコンを軽々と……」

「魔法よ魔法♪」

「カイリキ魔法?」

「まぁ、そんなところね」

「よしメルル、鍛冶屋に急ぐぞ!」

「報酬は8割ね♪♡」

「それが狙いか……ぬぬ、」

「女の子はお金がかかるの」


 レンはこくりと頷くと鍛冶屋に向かうのであった。




【ミッドラル王国 鍛冶屋】


「らっしゃいっ!」


 生きの良いオヤジがレンに挨拶をする。


「オヤジ、これを見てくれないか」

「お、おめぇ、こりゃすげーの持ってきたな!」

「オヤジ! もしやこれは本当に……!」

「ああ、本当に本当だ」

「本当に本当に本当だな?」

「安心しろ。本当に本当に本当に本当だ」

「よし、じゃ早速買い取ってくれ」

「お? これで武器を作るんじゃねーのか? 貴重なオリハルコンじゃねーか」

「物入りなんだ、金がいる」

「そうか、仕方ないな」


 鍛冶屋のオヤジカジー☆は裏手に回ると金貨をいっぱいに詰めた小袋を持ってきた。


「話が分かるじゃないかオヤジ」

「まあな、」


 メルルは小袋を横取りすると、レンに10枚ほどの金貨を渡し残りを自分の懐にしまった。


「おい、メルル、ひどくないか?」

「いいでしょ、レンなんだから」

「……なんだよそのさげすむような目は」



 レンたちは想定外の大金に満足していた。特にメルル。


 しかしその頃、とあるSランクパーティーでオリハルコンが無くなったと騒ぎが起こっていた……。






//////////

レンたちは予想もしない大金に満足そう。

しかし一方で、とあるSランクパーティーでオリハルコンが無くなったと騒ぎが起こっていた…………


ざわざわ、ざわざわ


不穏な空気ですなあ。



私も大金ほしい……p(´⌒`q

宝くじ当たれ……

σ(^_^;)?




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