第29話 火竜
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Eランクテイマーに昇格したレンであったが、前と生活にほとんど差はなかった。特に収入がアップする訳でも、ステータスがアップする訳でも、はたまた女の子にモテる訳でも無い。毎日が少し退屈気味だった。
レンたちはミッドラル王国から少し離れた場所にある草原に、暇つぶしがてら訪れていた。
「風が気持ちいいねー」
「そだな、相棒」
「呑気な奴ねえ」
レンは地面に大の字に寝るとスーピースーピーとうたた寝を始めた。
「ちょ、寝ちゃったのっ!?」
「みたい」
メルルはレンを驚き呆れた様子で見やった。スラのんはレンの隣でぽよぽよとまったりするのであった。が、そこへ……
時折大きな怒号のような声を飛ばしながら、
「ちょ、何なに?」
「あれ、
「分かってるわよ」
「そお?」
「それよりこっちに向かってない?」
「え?」
「ちょ! 逃げなきゃ!」
「え? でも、待って相棒が!」
「大丈夫よ一発くらい! 後でアルベルト神父にお願いしましょう! 私、死にたくないわ!」
「僕もだけど……」
メルルはスラのんを抱えると
「んーもう食べられないよーレッド・ドラゴンの肉うめえ……」
んーアホである。
レンはたぶん夢の中で高級肉を頬張っている最中だろう。
火球がレンに直撃する寸前で、消えた――
メルルたちは目をぱちくりとさせながら、状況を確認しようと努力していた。
レンのマジックポーチからひょんと顔を出していたのは、シャイニングスライムのあかりだった。
しかし、その火球もあかりのファイアボールで帳消しになった。あかりはマジックポーチから身を乗り出すと、完全に戦闘態勢に入った。
「
火系の技同士の相性は悪い。火系には水系の技が効果抜群であり、火系同士はその影響はその大小は微々たるものである。がしかし――
あかりの繰り出す火系の技は度を超えていた。あかりは大きく息を吸い込むと口からファイアボールを
火で護られた硬皮を焼き尽くすような、熱のバランスが乱れ、
そしてその巨体はズドンと地上に落下するのであった。
「ん? もう朝?」
寝ぼけ眼をこすりながら、目の前の
「レンさん、おはようございます」
「お、おはよう」
あかりはレンに挨拶するとマジックポーチに戻っていった。レンの頭はまだ機能しない。
端から見ていたメルルたち。事が収まるとレンに駆け寄った。
「大丈夫、レン!?」
「あ、ああ」
レンはメルルに状況を説明してもらい、ようやく理解した。あかりに感謝しつつ、
「やっほー! 火竜の鱗、高値で売れるぜ!」
馬鹿丸出しである。
いつまでもノウテンキなレンはうきうきしながらミッドラル王国の市場に向かった。
メルルはあかりについてスラのんから教えてもらうのであった……
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ふぅー。
書けたぞー。
次回、どうしよう?
σ(^_^;)?
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