第28話 【閑話】97階層にて


………………

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……



 ダンジョン97階層にて、ギルドの水質調査を任されていた。


「……、俺はこんなこと、したくないんだが……」


 アッシュは小さく愚痴りながらもギルド総管理部雷鳥ライチョウの命令に従っていた。

 試験管のようなものにこの階層を流れる水を適量注ぐ。それだけのことだが、一般人には到底不可能。なぜなら魔物モンスターがいるからである。Sランクパーティも一歩間違えば死に至る。油断禁物である。

 アッシュは一人ソロで全てを行う。苦手は回復。しかし攻撃に特化しダメージを極力減らす。それがアッシュのやり方だった。そしてそれが上手くいっていた。


 この川までアッシュは小型モンスターを数多く消してきた。無限に現れる魔物にアッシュの疲れも溜まり始めるころだった……。

 川からその水を採取する時だった。背後に殺気を感じ、右手を愛剣の柄にのせた。


 薄暗闇を走る一閃。アッシュは携えた剣で応戦する。


「あんたがアッシュか?」

「……、そうだが……」

「そうか。あんたの首が欲しい」

「……、そりゃ無理だ、……、一つしかない」

「心配すんな、一つで十分」


 謎の男は左手からもう一本の刀を鞘から抜く。

 アッシュは男の一本目の刀を愛剣で押さえたが、二本目の刀にはあまりにも無防備過ぎた。


「……、二本使うのか?」

「ああ」


 アッシュはバックステップで男の左刀を避ける。


「一本じゃ足りまい」

「……、一本で十分だ……」


 全長約一メートルほどの刀を二本、男は次々と繰り出していた。アッシュは猪突猛進型の男を闘牛士のように揶揄いながら、その攻撃を避けていった。

 男は目の前にしか興味は無いようだ。アッシュの動きを読もうという頭はない。二刀流の男は当たるまで刀を振り回し続けるだろう。

 刀の重さからかスピードがアッシュに追いつかない。しかし恐らくこの男の一撃を喰らえば大きな傷を負うことになる。だが、まったく当たらない。アッシュを相手にするにはあまりにも力足らずだった。


「……、息が上がってるな……」

「け、黙ってろ」


 少しそのスピードが上がるも一時的。男はアッシュに隙を突かれ、その心を刺された。


 アッシュは男を探る。その男の首には東洋文字の刺青いれずみが入っていた。


――龍玄思想


 アッシュは龍玄系の人間に標的ターゲットにされたと認識をした。しかしなぜその龍玄系の組織に狙われるのかはまだよく分からないのであった。


 アッシュは水質調査に戻り、97階層の水を採集。転移石でギルドへと帰還するのであった……。





//////////

アッシュさ~ん!

かっこいいっ!!


これじゃアッシュが主人公じゃないか……


閑話書きました。

よろしく、ねっ!


σ(^_^;)?




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