第17話 【閑話】アッシュVS泥人形《ゴーレム》


………………

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……


 ダンジョン地下96階層のボスを倒したアッシュ。階層転移陣ポータルに入ると地下97階層へと進んだ。

 アッシュの今回の目的は泥人形ゴーレムコアだった。ギルドからの依頼を忠実にこなしてきたアッシュ。今回も失敗はしない。


 ダンジョン地下97階層スタートエリアに転移した後、アッシュは泥人形ゴーレムを探し始めた。

 体格が巨大なため動いていると目立つはずだが……。

 アッシュは通路に入ると、聖石クリスタルを使い魔物モンスターの位置情報を確認した。


「……、巨大な熱源がある……、泥人形ゴーレムか……、」


 アッシュは通路を抜けると広間に出た。そこに泥人形ゴーレム獲物Aランクパーティーを喰らっていた。


「……、さすがは泥人形ゴーレムさん……、」


コンコン


 アッシュが壁を叩く。


「……、まあ、聞こえないわな……、」


 アッシュは仕方なく、広間の柱を一つ切り崩した。

 音を立て崩れ落ちる柱に泥人形ゴーレムはアッシュの存在を確認した。


 空間を揺らす泥人形ゴーレムの叫び。瞬間、敵の右腕がアッシュを襲う。

 頑丈な岩でできた床は粉々に砕け、アッシュも――


「……、遅い……、」


 シュパッ


 空中に飛んだアッシュは剣を泥人形ゴーレムの右腕に振り下ろした。

 スッ と敵の右腕は落ちる。が、左腕がアッシュを追う。

 巨大な図体だがそのスピードと威力は通常の泥人形ゴーレムとは格段に違う。

 アッシュが少し手間取っていると、泥人形ゴーレムの右腕は再生した。


「……、ほぅ……、」


 元の戦闘能力を取り戻した泥人形ゴーレムは再び叫ぶ。


「……、うるさいなあ……、」


 一撃一撃を避けるアッシュ。そして、一瞬泥人形ゴーレムに間ができた。


「……、疲れたんですか……、息が上がってますよ……、」


 シュッ


 アッシュが上空に飛ぶと、速いスピードで泥人形ゴーレムの中心を剣で裂いた。そしてコアが現れると、一閃、剣を突き刺した。


 ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


 泥人形ゴーレムを構成していた細胞セルが砂のように消えていくと、アッシュはコアのカケラを拾い上げた。


「……、上出来……、かな……、」


 そしてアッシュは転移石を使い、ギルドへと戻るのであった。



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