第16話 アッシュさん
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……
ギルドに戻ってきたスラのん。しかしまだアッシュさんはクエストから戻ってきていないようだった。
「あのミアさん、アッシュさんはどんなクエストをやっているんですか?」
「はい。アッシュさんはダンジョン地下97階層の
「
「基本的には大きくないのですが、地下97階層などの高階層になると
「へぇー。僕、まだ見たことないなあ」
「かなり危険ですので遭遇しない方が良いでしょう」
「それほど強いアッシュさんならAランクパーティーのリーダーになれますね」
「いえ、アッシュさんは
「え!?
ミアとスラのんが会話をしていると、アッシュがギルドへと戻ってきた。
「アッシュ様、お帰りなさいませ」
「……、これ、やる」
アッシュは
「ありがとうございます。今ゴールドを用意しますね。 あっ、それとアッシュ様のベッドを譲り受けたスラのん様です」
「……そうか、……大切に使ってくれよ……」
「わ、わかりましたっ!」
ミアがゴールドを準備している間、スラのんはアッシュに話しかけた。
「アッシュさん、
「……いやまだまだ修行が足りない……スピードも力も、鍛えなければならない……」
「そ、そんなことはないですよ」
「……地下100階層には最強の魔物が存在するという…………、このままではそこに辿り着く前に魔物に食われてしまう……、鍛錬あるのみ……、」
「ストイックな方だなあ、尊敬」
ミアがゴールドを持って来るとアッシュはスラのんにゴールドの入った巾着を分け与えた。
「これは……自由に使っていい……お近づきの……しるしだ……、」
「あ、ありがとうございますっ! あ、あのっ、アッシュさんっ! ドングリっ!」
「……ん? ……ドングリか、探していたんだった……ありがとう……」
アッシュがギルドを去るとミアはスラのんを羨ましそうに見つめていた。
「な、なんですかミアさん?」
「いいですね、それ。多分それ、100000ゴールドはありますよ」
「ごふっ! じゅ、100000ゴールドっ!」
急いで臨時収入のゴールドをスラのんは大切にマジックポーチにしまうと、またアッシュさんに会えるかなあ なんて思いながらスラのんもギルドを後にした。
自宅に戻るとレンがスーピースーピーと鼻から提灯を膨らませながら寝ていた。スラのんはそんなレンを揺すって起こそうとするのであった。
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アッシュ
Aランク冒険者
いまだ未踏のダンジョン地下97階層攻略者
スラのんにベッドを譲った人
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2024年9月15日
少し修正しました。
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