第12話 家具を探しに


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【ミッドラル王国】


 スラばあ様からの空き家のカギを貰い、レンとスラのんはその空き家に向かっていた。


「ここかあ……」


 ミッドラル王国の東門の近くに位置するその家は、食料市場やギルドから離れるものの築年数は古くなく住みやすそうな外観をしていた。


「ま、とりあえず入ってみようぜ」

「分かった、相棒」


 中には家具などは無く、がらんとしていた。


「まあ、でもスラばあ様とやらに感謝だな」

「頭が上がらないよね」


 窓を開けると吹き抜ける風が気持ちよい。新たな生活拠点に二人、どことなくワクワクしていた。


「まずはテーブルが欲しいよな」

「そうだな、相棒」

「ちょっと、家具屋を覗いてみるか?」

「いいね!」


 スラのんはぽよーんっと飛びレンの頭に乗ると、レンと一緒に家具を売る店に向かった。




【ミッドラル王国 東区】


 レンは近場の家具店を探していたところ、『オールド ファニチャー』という店を見つけて、入店した。


 木材を使った家具がいくつも並べてあり、イスやテーブル、ベッドの台などがあった。


 レンはまず値札を確認しながら、手ごろなものを見て回った。


「んースラのん、俺たちが支払える額を超えている。もっと草むしりを頑張らないと買えないぞ」

「そうだな、相棒」

「一番安くても4000ゴールドだ」

「えーっと、草むしり一回100ゴールドだから………………草むしり40回だな相棒」

「Eランク昇格試験でも受けるか?」

「なんか難しそうだな」

「今度ギルドに行った時にミアさんに聞いてみよう」

「うん」


 手持ちの50ゴールドで買える家具は無く、今回はぐるぐると店内を見て回るだけの二人。店の外に出ると、早々と新居に帰るのであった。

 でも、ちょっとワクワクした気分が二人を満たしていた。



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