第8話 初報酬
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「ミアさん、むしった草を持って来たぜ」
レンはミッドラル王国東門周辺での草むしりで取った草を差し出した。
「はい、ありがとうございます。これで依頼はクリアになります。それと100ゴールドが報酬として支給されます」
「おお、あんがとー」
レンは100ゴールドを受け取ると早速マジックポーチにしまった。
「よーし、スラのん、初給料だ。どうするよ? 『カップラーメン メラメラ』でも食べるか?」
「え? いいの? レンの剣は?」
「100ゴールドじゃ返してくれないべ」
「貯める、とか」
「いいのいいの、それに俺は今『カップラーメン メラメラ』が食べたい」
「よ、よし じゃあ早速買いに行こうぜ! 相棒!」
「おーけー、スラのん」
レンはスラのんと一緒に食料市場に向かった。
【ミッドラル王国 食料市場】
「おおーすげーな! なんでもあるな!」
「相棒、目移りするなよー。僕たちの目的は『カップラーメン メラメラ』だからな」
「わ、わーった」
レンは目的の物を探していると、『カップ麺』という看板を見つけた。中に入ると世界中のカップラーメンが完璧に陳列されていた。
「おおー、いっぱいあるな。こりゃ探すのに一苦労だな」
「店員さんに聞けば一発さ、相棒。すいませーん」
スラのんがレジの店員に聞く。
「あるよ。これだな?」
「そうそう、それそれ。いくらですか?」
「一つ50ゴールドだ」
「50? 相棒、どうする? 二つ買えちゃうよ、もう一つ買う?」
「いや、待て。残りは貯めよう。剣も欲しいんだ」
「分かった、相棒」
「じゃ、一つでいいかい? 可愛いお客さん」
「可愛い? ま、いいや。一つでお願いしまーす」
「あいよ」
店員が『カップラーメン メラメラ』を取り出した。
「お湯なら火力装置で沸かしてある。自由に使っていいぞ」
「ありがと、おっちゃん」
「おっちゃん……だ、と……。くっ老けたものだな……」
お湯を注ぎ3分後、いざ実食!
「か、辛ーっ!」
「相棒、辛いか?」
「かれーよ、スラのん。お前は大丈夫なのか?」
「もち」
「すげーな、お前」
「久しぶりに食べられて幸せだよ、サンキュー相棒!」
「お、おう。てか、俺の分も食っていいぞ、」
「majiか! ありがとう相棒! 上手えぞあいぼー!」
「そりゃよかったな」
『カップラーメン メラメラ』を食べ終えたスラのん。すると、柔らかな白い光りに包まれた。
【スラのんのレベルがアップしました。現在レベル2です】
【技
「なんだ? 進化か? Bボタン」
「なんかレベルが上がったみたい」
「おーいいな。つか俺のレベルは上がらんのか? くそっ!」
「まあ、いいじゃない~の相棒」
「このやろー、俺より先に行きやがってからにー!」
「そのうち上がるよ、相棒も」
「そのうち? おっさんになっちゃうよ。でもまあよかったな、スラのん」
「ありがと」
「おっと、お二人さん今日はもう店じまいだ。そろそろ、いいか?」
「わーった」
「また、来てくれよな!」
「わーったぜー! またなおっちゃん!」
「お、おっちゃん…………」
店員は少し寂しげに扉を閉めた。
レンはスラのんを肩に乗せ、ボロ小屋へと帰るのであった。
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【メモ】
持ち金 50ゴールド
スラのん レベル2
スラのん(技)
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