第6話 東のボロ小屋


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 レンたちは東の荒れた農地へと向かっていた。


「相棒、あれじゃない?」

「ん? ああ、あれっぽいな」


 レンたちが荒れた農地の小屋にたどり着くと早速、中を探索し始めた。


「確かにボロ小屋だな」

「相棒、ここで大丈夫なん?」

「手持ちがないんじゃこんなもんさ。雨風さえ遮ってくりゃ良しとしよう」


 ボロ小屋を一通り探索し、荒れた農地も確認した。ここでレンたちの生活が始まろうとしている。


「ミッドラル王国からもまあまあ近いし、明日、資金集めにギルドにでも登録するか」

「イイね!」

「剣は奪われたから、モンスター討伐は無理そうだけど」

「じゃ、草むしり……とか?」

「草むしり……か……。やむを得ず……」

「100ゴールドぐらいはゲットできるんじゃない?」

「そうだな。ところでスラのんは草むしり出来んの?」

「え? 食べることは出来るよ」

「え? 草って食べられるの?」

「もち」

そうなんだー」

「じゃ二人で頑張れば200ゴールドぐらいか」

そうだね。明日が楽しみだよ」

「200ゴールドゲットしたら、剣を返してもらうぞー」

「ちょ、ちょっと相棒、僕、『カップラーメン メラメラ』を買いたいんだけど」

「あんだってー、仕方ないな。俺にも半分食わせろよ」

「もち」


 東のボロ小屋はミッドラル王国から歩いて10分ほど。予想外の近さをメリットにレンは明日あす、ミッドラル王国のギルドに登録手続きをすると意気込んでいた。

 夜になるとあかりちゃんがマジックポーチから顔を出し、ほのかな光を灯した。

 あかりちゃんはコロンコロンと転がりながら、夢に落ちているレンを見つめていた。



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