第5話 『ミッドラル王国 親切不動産』
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朝を迎えたレンたち。早速、ミッドラル王国へと向かうことになった。
「相棒、これを使ってくれ」
「お、マジックポーチじゃん」
「何でも収納できる万能ポーチ。是非とも活用してくれ」
「き、けり、つ、ぬ、………………何活用だっけ?」
「僕、国語なんて知らないよ。スライムだもの」
「ちょっ、みつ○先生の名言を応用したんだな」
「とにかく、マジックポーチを大切に使ってくれ、相棒」
「わーったよ」
スラのんから渡されたミニミニマジックポーチがレンの体に適応していく。
「おおお、イイね!」
「そだね、イイね!」
「あれ、ところであかりちゃんは?」
「マジックポーチの中だよ。あかりちゃんは夜行性だから夜活動するんだよ」
「へぇー」
スラのんはレンの肩に乗ると「さあ、ミッドラル王国へ、しゅっぱーつ!」と声をあげる。
レンは時折空を見上げながら鼻歌交じりに歩く。何もない大地を進むにはあまりにも退屈だった。
ただひたすらに何時間も歩くだけだった。
そして
太陽がてっぺんに昇った頃、レンたちはミッドラル王国へと到着すると早速借り家を探すことにした。
『ミッドラル王国 親切不動産』
「ほぅ、ここがよさそうだ」
「なんで」
「親切って書いてあるだろ? だからここは親切に安い物件を教えてくれるんだ」
「そかなあ」
「まあ、付いてこい」
チャリーン、カラン
「ぎらっじゃいッ!」
入店すると
「よざんはどれぐらいで?」
「0ゴールドだ。
「がー、そうでっが」
「何かあるか?」
「おうごぐのひがじにがれた農地があっべ。そごにごやがあっべがら、自由につがってえべ」
「わーった。ありがとう」
「にぃぢゃん、仲介りょう、おいでげ」
「わーった。出世払いで」
「しにでえが? にぃぢゃん?」
「わ、わかった。これをやろう」
「つるぎがぁ? まあ、いいが」
「じゃ、じゃあな」
チャリーン、カラン
『ミッドラル王国 親切不動産』を出たレンたち。レンは小さな声でぼやく。
「あんにゃろー、全然親切じゃねーよ」
「相棒、仕方ないよ、諦めよう」
「まあ、東のボロ小屋で何か育てながら生活するのもいいだろう」
「そだねー」
「じゃ早速行くぞ、スラのん!」
「了解、相棒!」
ミッドラル王国を出て東の荒れた農地へと向かうことになった。
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