第4話 経緯



………………

…………

……


 レンが眠りに落ちたあと、スラのんたちは小さな声で話を始めた。


「ところであかりちゃんはなんでこんなところにいたの?」

「私、元々テイマーさんがいたんですけど、野放しにされちゃって」

「ひどい奴がいるもんだなあ」

「ガンズって言うテイマーさんで、私もちょっと気に入ってなかったのでちょうどいいですよ」

「ガンズってあの万年Fランクテイマーで有名の?」

「そうです」

「へぇー、そうだったんだ」

「ミッドラル王国へ向かう途中で、もめまして……」

「それで、見捨てたわけだ」

「そうです」

「ん? そう言えば僕たちもミッドラル王国へ向かう途中だよ」

「えっ」

「たぶんそのガンズに会うかもしれない」

「ええーっ」

「あ、でもあかりちゃんはに入っていれば分からないよ」

「マジックポーチですね」

「そう、何でも入るよ」

「他に何か入ってるんですか?」

「え? ああ、ドングリ、かな……」

「ドングリですか。少し可愛いですね」

「ありがとう。大きさも調整できるから明日からはレンにプレゼントして、使ってもらおうと思うんだ。僕が持ってても宝の持ち腐れだしね」

「レンさんにですか。お二人、仲が良いですね」

「そかな」

「私、その信頼関係が少しうらやましいです。私もレンさんに気に入ってもらえるでしょうか」

「大丈夫だよ。レンはああ見えても優しいからね」

「感謝します」

「いえいえ」


 夜も深くなり、スラのんたちも次第に眠りに付いた。

 あかりの光がほんわりと夜の帳の中で光っていた。


「スラのん~、もう食べられないよ~」


 レンは深い眠りの中、グーグーと美味しそうな夢をみているのであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る