第3話 光るもの
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遥かなる大地で夜を迎えたレンたち。
レンがふと足元に目を向けると、暗闇の大地で光るものを見つけた。
「あ、なんか光ってる」
レンが覗き込むと、僅かばかり光が小さくなった。
「石ころ……? スラのん分かる?」
「あ、これ、シャイニングスライムだよ。めずらしーなぁ」
「シャイニングスライム?」
「そうそう、スライム種族の中で珍しく『光る』特性を持つんだ」
「へぇー」
「綺麗だよねぇ、相棒」
「まあ、そうだな。しかしなんか蹴ってみたいな」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいや、ぜっっっっっっっっっっっっったい駄目だから! そんなことしたら相棒が逆に死ぬよ!」
「そんなに最強なのかこいつは」
「あったりまえだよ! クラッカーだよ!」
「弱そうだけどな。小さいし」
「正確には相棒の目が死ぬってことだよ」
「んー」
「大切に扱えば大丈夫だけどね。というか相棒、ギフト『スライムテイマー』持ってるんだから仲間にしようよ」
「え? 仲間にできるの?」
「相棒のジョブ、スライムテイマーでしょ?」
「いや、ガンマンだ」
「……」
「そこは笑うところだぜ、スラのん」
「ハ、ハハ……」
「で、どうやったらいいんだ?」
「優しく手をかざして、心からシャイニングスライムのテイムを願うんだ」
「ほー、じゃやってみよう」
【汝、悠久の時を経ても我を忘れず。汝、契りを結びたり】
白い光がレンたちを包み込む。
【シャイニングスライムをテイムしました】
【名前を付けてください】
「お、できた」
「おおおっ! さすが相棒」
「名前は イケザキ でいいか?」
「却下! このシャイニングスライムは女の子だよ? かわいい名前にしようよ」
「シャイニングスライム1000%」
「きゃっっっっかあ!」
「じゃあ、なんにすりゃいいんだよ」
「あかり? とかは?」
「おお! イイね! 扇子あるよスラのん」
「senseね……。まあ、ありがと」
「では、 あかり で」
【シャイニングスライム(あかり)が仲間になりました】
「こんばんは、初めまして」
「初めまして。よろしくな」
「私、光ることしか能が無いけど頑張りますね」
「よろしく、あかりちゃん。僕はスラのん」
「よろしくお願いします。あっ、あとスラのんさん、さっきは助けていただきありがとうございました」
「え?」
「名前の件、私、シャイニングスライム1000%とかは嫌だったので……」
「そ、そうだよね……」
「よーし、今日はもう寝よう。お休み、スラのん。お休み、あかり」
レンは一人、先に眠りに落ちた。
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