第11話 私

 私はカトウに、今までずっと大事にしていた貝殻のペンダントをあげました。

 あのペンダントは、魔法がかかったペンダントです。

 私はカトウが好きでたまりませんでした。魔法で、カトウを振り向かせたいと思うほどに。

 ですが、そんなのは間違っています。カトウの気持ちを捻じ曲げるなんて嫌です。私は自分自身の力で、カトウと両思いになりたいと思っていました。

 だから、魔法の力は頼りたくない。

 ですが、あの魔法のペンダントがあると、魔法でなんとかしたいと思ってしまいます。

 それが嫌で、私は迷った末、カトウにあのペンダントを譲りました。

 魔法の力でカトウの望みが叶うなら、本望です。

 私はカトウをどう振り向かせるか、作戦を立てることにしました。

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