第5話変化

美幸ちゃんから、カギをもらって中に入る。


「なんだ?」


入ったとたんに驚いた。

外見とはうってかわって、近代化されている。


「どうしたのこれ?」

「おじいちゃんもおばあちゃんも歳だったから、生活しやすいようにリフォームしたの?」


リフォームってレベルじゃないぞ。


「じゃあトイレは?」

「もちろん和式の汲み取り式から、様式のウォシュレットに変化」

「お風呂は?」

「五右衛門風呂からジェットバスへ変化」


奇麗に片付けられている。


「別に俺が来ることなかったのでは?」

「ううん。本当の目的はね・・・」


美幸ちゃんが後ろから抱き着いてくる。


「私が裕也くんに会いたかったの」

「冗談はやめろ」

「わかった?」


会ってないとはいえいとこだ。

そのくらいは、わかる。


「でも、父さんと母さんはどうして僕をよこしたんだろう?」

「ここの下見」

「下見?」

「よさげなら、余生はここで過ごすんだって」


初耳だ。

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