第13話 長女の栗島愛実(くりしまえみ)は冷徹、冷血、冷酷で超人メンタルですが……

 真理亜side

(えみちゃんだけはガチでやべえな)


 真理亜はうつ伏せに床に寝かされた状態になっていた。


 現状、顔は見えないが間違いなく長女の栗島愛実くりしまえみである。


「……ゆうゆうはどこだ?」


 冷たい声で聞く。


「し!!」


 ミシミシと腕や足が悲鳴を上げる。


「うちは隠し事に関しては容赦しないし、まりあちゃんを拷問して痛めつけるのも情けはかけないし、躊躇はしないからね」


 冷たい声で言う。


「っく」


 痛めつけられて涙目か様子に真理亜はなる。


「……涙を流すまりあちゃんも興奮するね」

「!!」

 惚けた声で言う。


(えみちゃんは昔っからいじめっこ気質だからな)


 愛実は冷血、冷徹、冷酷と言われている。


 愛実は何かの隠し事があれば容赦なく相手を拷問して痛めつける。


「っく」


 真理亜の手足関節がミシミシとさらに締め上げて行き悲鳴を上げて行く。


「考える時間など与えない」


 真理亜が僅かに考えた瞬間に愛実は身体の締め付けを強めて行く。


「……聞いた時点で嘘か本当かわかってるでしょ」


 痛みをこらえながら真理亜は言う。


「……ああ、知らないことはわかっていたが」

「う、っく!!」


 ミシミシミシとさらに骨、関節、手足の軋み音がまして行く。


「まりまりがゆうゆうに先にあったことに対しての嫉妬心や羨ましいという感情で今、締め上げて拷問をしている」


 愛実は冷たく怒気がこもった声で言う。


(やっぱりか)


 愛実は超がつくほど勇が大好きである。


「……えみちゃんなら探せるでしょ」

「!!!」

 締め付けられながら愛実に真理亜は聞くと



 愛実は昔っから体温感知、触覚能力が人間離れしており、体内温度を敏感に感知して嘘か本当かもわかるぐらいに優れている。


 原因は勇が子供の時に毎回身体を触りまくったりしたり観察していたら、他の人の体温感知も出来たらしい。(注、愛実ちゃんがそう言ってました)


 愛実曰く射程範囲は自分が視界に映る範囲までらしい。


「さあて、うちの煮えくりかえる感情をまりまりの拷問の悲鳴でしばらく遊ばせてもらうかな」


(さあて、これは詰んだな)

「さあて、これは詰んだな」

 真理亜の言葉を愛実は言葉にする。


「?」


 突然、真理亜の手足の締め付けが弱まった。


「さあて、これから楽しい楽しい拷問タイムのフルコースが始まるんだから何か言いたいことはあるかな」


 愛実は真理亜に言う。


「……えみちゃん宛にゆうちゃんの手紙を預かっているよ」


「……本当か?」


 疑問な様子で聞く。


「嘘じゃないのはわかってるでしょ」


「……なぜ、早く言わないんだ?」


 愛実は震えた様子で言う。


「ゆうちゃんが私とえみちゃんトラブルが起きた時に渡して欲しいと言われたの」


 真理亜は無表情で答える。






 栗島愛実side

 (体温や脈拍に違和感はないから、間違いないのは確定だな)


 念のため真理亜の表情を見るが特に変化や違和感はなかった。


「それじゃあ、ゆうゆうの手紙を貰おう」


「……」


 真理亜はポケットから手紙を取り出して愛実に渡した。


(この触れた温度の紙の感覚と文字質は間違いなくゆうゆうのだ!!)


 触れただけで愛実は感情がこみ上げていった。


「なになに、(真理亜姉ちゃんに暴力したらだめだからね)」


 笑顔をうかべて紙を読む。


(暴力ではないこれは教育、調教、拷問だから暴力ではないから問題は?)


 愛実は2枚目の紙が重なっていることに気づいた。


「なんだ?」


 愛実は2枚目の紙を見ると









「(真理亜姉ちゃんをいじめる、愛実姉ちゃんなんて大嫌い!!)」


 読み終えると突然びくんと身体が動かなくなり愛実は白目になり痙攣し始めて、そのままバタりと倒れて気絶した。

 




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