第12話 どうも始めまして、お兄ちゃんの親公認ストーカーの三女の栗島味菜(くりしまみな)です。

 真理亜side


 (この聞き覚えのある声は)


  真理亜は音の聞こえた場所に向かうと









「どうも始めまして!!(読者の皆様)ゆうちゃんの親公認ストーカーの三女の栗島味菜くりしまみなです」


「!!」


 突然目の前で青髪のメイド服を来た少女が大きな声を出して立ち上がりとポーズを決めてカメラ目線で視線を向ける。


(何でみなちゃんがいるの?)


 真理亜は味菜がいることに驚く。


「やあやあ、まりあちゃん、紅茶よろ」


 ポーズを決め終えて味菜は居間の椅子に座る。


「何」

「紅茶!」

「何しに」

「紅茶よろ!!」


(味菜も話、聞かないからな)


 ため息をつくと


「まりあちゃん幸せ逃げるから、早く紅茶よろ」

「……わかったから待ってなさい」


 真理亜は不機嫌そうな様子で味菜に返事をする。





「はい」


 真理亜は紅茶と角砂糖の袋を隣に入れて味菜のテーブルにおく。


「ありがとう」


 味菜は角砂糖の袋を開けて、どぼどぼとどんどん紅茶に入れて行き、かき混ぜずに角砂糖が溶ける前に飲んで行く。


(……みなちゃんはかわらないな)


 味菜は昔っからかなりの甘党である。


 食事の際も、砂糖スティックを使ってごはん、おかず、味噌汁とかにも何個も開けてふりかけのようにかけたり入れたりして食べるぐらいの甘党である。


「ふう」


 味菜は紅茶を飲み終えた。


「……それで、みなちゃん、何しに来たの?」


 真理亜は紅茶を飲み終えたタイミングで味菜に声をかける。


「お兄ちゃんを誘拐しに来ました!!」


 突然立ち上がり決めポーズで笑顔で味菜は言う。


「……」


 真理亜はジト目で味菜を見る。


「そういうわけでお兄ちゃんを出せ!!」

「知らん!」


 真理亜は即座に答える。


「嘘をつくな!!」


 味菜は真理亜の瞳を見る。


(私が声を聞いて行く途中にのに[黒印状の届けた人のところに行ってくるね]と書かれていた)


「嘘はついてない」


 真理亜は味菜の瞳を見る。


「洗い物の中に茶碗が2つあったから間違いなくいるはずだ」


 味菜は無表情で真理亜の瞳を見て言う。


「……いたけど、どこかに行ったよ」


「どこ行ったの!!」


 味菜は殺意を向けて真理亜を見る。


「知らん」


 味菜の殺意を向けても真理亜は冷静に答える。



 真理亜は味菜の瞳を覗き見る。



 味菜は勇の匂いに関してならかなりの範囲を誇る広さで感知出来るらしい。


 実際に昔に隠れんぼした際に隠れる場所の範囲外の3キロぐらい離れた場所から勇を見つけた実績もある。


「なら身体にき、こ……」


 突然、味菜は眠たそうな様子になる。


(や、く、物、の匂いはしなかったのに)


 味菜は眠り始めた。


(味菜の嗅覚はガチで敏感過ぎるから0.5%ぐらいのダンジョン産、高品質眠り粉ならばれずに行けたな)


 過去に味菜には悪戯したことがあるが、口につける前にすぐばれてしまっていた。


 過去になぜばれたかを飲み物を飲ませる時に観察した結果は1%以上の薬物なら100%ばれることがわかってたから、それ以下にして紅茶にあうダンジョン産、高品質眠り粉を混ぜたのである。


(全く、の勘も当たってたな)

「……すやあ」


 気持ちよさそうに寝ている味菜を見る。


(お母様だったら絶対に誰か寄越すだろうと踏んではいたが……)


 真理亜は味菜にタオルケットをかける。


(お姉ちゃんが来たらアウトだったな)

「お姉ちゃんが来たらアウトだったな」


「……え!?」


 考えてることを言葉にされて真理亜は戸惑うことも処理出来ないままに気づいたら宙に浮き床に寝かされていた。


「……全く祖母、叔母、母の勘は恐ろしいな」


 冷たい声で真理亜の耳元で話をする。


(な、なんでいるの?)

「な、なんでいるかは?」






    










「祖母、叔母、母の命令を無視して、うちの独断でゆうゆうを誘拐しに来たからに決まってるじゃない」


 惚けた声で言う。

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