攻略することが不可能と言われたダンジョンをクリアした者が現れました。プレイヤー名はサイレンスマジシャン。世界中の人たちが探し回ってますがみつかりません。
第10話 姉は朝飯の準備していると音も気配もなく椅子に弟が座っています。
第10話 姉は朝飯の準備していると音も気配もなく椅子に弟が座っています。
栗島真理亜side
結局、私はイライラしながら部屋でパソコンいじって夢中になり、そして、気づいたらパジャマに着替えずにベッドで寝ていた。
「……」
朝になり目を覚ましすぐ台所に行き、コーヒーメーカーを準備しながら冷蔵庫を開けて見る。
(目玉焼き、ベーコン、米で!?)
メニューを考えていると手に紙を持っていた。
「……」
真理亜は紙を見る。
「……(僕もお姉ちゃんの作った目玉焼き、ベーコン、ご飯食べたい!!)え?」
真理亜はすぐに冷蔵庫を閉めてテーブルを見ると勇が音も立てずに座っていた。
「ゆうちゃん!!いつからいたの?」
「……」
勇は無言で紙を渡す。
「……(姉ちゃんが眠たそうに台所に向かってた時には座ってたよ)」
真理亜は紙を読んで行く。
「……」
真理亜は無言で不機嫌そうな表情とジト目で勇を見る。
「……」
勇はジト目されることを気にせず真理亜の瞳を見てご飯、ご飯と目を輝かせて見る。
「……待ってなさい。今作るから」
「……!!」
勇は目をさらに輝かせて笑顔を見せる。
(それにしてもいつ帰って来たんだろう)
真理亜は料理をしながら考える。
(全く、気配も音もなく違和感も感じずに椅子に座っていた)
(勇が座っていることにすら、勇の紙を読むまで一切気付かなかったのが不思議だ)
「ゆうちゃん、出来たよ」
「!!」
勇は出来上がった目玉焼き、ベーコン、ご飯を見てさらに目を輝かせる。
「……」
勇はいただきますのお辞儀と動作をして食べ始める。
「……」
勇は上機嫌に全部食べ終え、ごちそう様のお辞儀と動作をする。
「ゆうちゃん」
食べ終えたタイミングで湯飲み茶碗にお茶を出して渡す。
「……」
ありがとうと真理亜の目線にあわせてお礼の挨拶をする。
「……」
勇はじーっと湯飲み茶碗に入ってるお茶を覗きこみ始める。
「ゆうちゃん、早くお茶飲まないとぬるくなって美味しくなくなるよ」
真理亜は勇の様子を見て声をかける。
「ゆうちゃん?」
真理亜に紙を勇は渡す。
「なになに(姉ちゃん随分と高い茶葉とブレンドしてるね)!?」
真理亜は読み終えると勇はジト目で見ている。
「ゆうちゃんの為にがんばって作ったブレンドのお茶なんだから飲んで」
真理亜はジト目を気にせず笑顔で言う。
「うん?」
勇は真理亜に紙を渡す。
「……(僕の見た感じのお姉ちゃんが入れたお茶成分表、お茶成分1割[安い茶葉スーパーで買えるやつ値段多分1000円以内でお釣りがくる感じで余裕で買える]、そして、9割[超高品質ダンジョン産シビレ茶葉、値段推定、指でつまむぐらいの量で約100万するのと]ブレンドしてるんだけど) え!?」
真理亜は勇の紙を読み終えて勇を見るとジト目で見ている。
(何で見ただけで成分とかついでに値段とかも全部当ててるのよ?)
全てドンピシャに当てられて真理亜は驚く。
「……」
勇は真理亜の瞳を見てなにする気だったの?と訴えかけるように見る。
「そりゃあ、着せ替え人形にしたり、動画撮影ように人形役にしたり、後は一緒に寝て抱き枕にしたりだね」
真理亜は惚けた笑みで語る。
「……」
勇は絶対に飲まないからなという意思を目で向けて真理亜を見る。
「優しい、優しい、ゆうちゃんなら、お姉ちゃんが入れた愛情込めたお茶を飲んでくれるよね」
真理亜は可愛らしい声と黒い笑みを見せて勇に言う。
「……飲んでくれないと」
真理亜は何かを言葉にする。
「……」
お姉ちゃん命令は拒否する意思を向けて真理亜の瞳を見る。
「過去のお姉ちゃん命令のペナルティ精算の未払いを」
「……」
言葉を聞く前に勇はすぐに真理亜の愛情込めたお茶を一気に飲み干した。
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