第15話 トーナメント
トーナメントが迫るなか、エルフリードとアーチボルトの指導をリアナ達は受けていた。
午前中の稽古をしている最中にエルフリードがリアナ達に尋ねた。
「そろそろ、王家御前のトーナメントが行われるな。カイル、リアナ、リリアン。お前達は参加するのか?」
「はい!!師匠」
「私もやってみます!エルフリード先生」
「師匠、わたしの鉄拳をトーナメントで叩き込むよ!」
それを聞いたエルフリードは訓練所に来ていた騎士達をカイルとリリアンの試合練習の相手として呼んだ。
「エルフリード先生!私はどうすれば??」
「リアナお前には風属性の魔法剣を教える。練習試合はその後だ。」
「はい!エルフリード先生!」」
カイルとリリアンが騎士を相手に練習しているなかエルフリードとリアナは木剣を手にして大分距離をとって向かい合った。
「リアナ、そこから剣に風属性の魔力を込めて俺を吹き飛ばすようにしながら剣を振れ。」
「はい!エルフリード先生!」
リアナは自身の力限りの風属性の魔力を剣に込めると遠間にいるエルフリードに思いっきり木剣を振るった。
すると木剣の先から人を吹き飛ばすほど 強い突風がエルフリードの元に向かっていく。エルフリードはその風を防御の魔法で防いだ。
(ここまで出来るとは、、、、ルーンナイトになれるかもな。)
訓練していた騎士達はその様子を見て驚愕して噂した。
「ま、魔法剣だ、、、。」
「あんな少女が魔法剣を、、、。」
「あの娘、将来はルーンナイトか?!」
素振りしていたアルフと騎士達と練習試合をしていたカイルとリリアンも練習を中断して驚いていた。
「リアナ!お前すげえな!」
「本当に凄いよ!」
「リアナ。凄いね!」
「よくここまで頑張ったなリアナ。まだ完成には遠いが、相手に詰め寄れない時は特にその魔法剣、ウィンドブロウを使うといい。」
「はい!ありがとうござます。エルフリード先生!」
「よし、リアナも午後まで騎士と練習試合だ。その後は、皆いつも通りの練習をしろ。」
騎士達と練習試合を終えると午後からそれぞれの訓練へと移った。
午後からアーチボルトの指導を受けていた、リアナとアイリーンとレティシアはひたすら魔法力を高める瞑想を行い。アルフは弓術を磨き、リリアンは筋力トレーニングをしてカイルは教会で祈り続けた。
リアナとカイルとリリアンはトーナメント開催の1週間前になると正式な手続きをしてトーナメントが始まる直前の日まで自主的な訓練と訓練校での訓練を続けた。
そしてトーナメントの日はやって来た。
トーナメントの行われる場所である王宮に行くと騎士見習いのトーナメントには八組の騎士見習いが参加することになっていた。
控室でリアナ達は試合用の鎧と冑とを身に着けてリアナは木製のバスタードソードをカイルは木製のブロードソードと盾をリリアンはガントレットだけを身に着ていた。
リアナ達が準備をしていた時にレティシアとアイリーンそしてアルフと師であるエルフリードとアーチボルトが顔をだす。
「三人とも応援してます!頑張ってください!」
「勝てるようにやんなさいよ!」
「皆の試合楽しみだよ。」
「三人とも今までの訓練の成果は必ず現れる。優勝を目指せ。」
「リアナさん。日々の鍛錬で貴方の魔法力は高まっています。貴方の魔法剣の成果、楽しみにしてますよ。」
そういうとアイリーン達は観客席へ、エルフリードとアーチボルトは王宮の重臣の席に、レティシアはネフェとバイロンの横の席へと向かった。
試合の準備を終えたリアナ達は他の騎士見習い達と試合場へと向かいバイロンとレティシアと向かい合って礼をするとバイロンは席を立ってリアナ達騎士見習いに挨拶した。
「我が王国の騎士見習いたちよ!今まで磨いて来た腕を今日は存分に見せてくれ!」
バイロンが話を終えて席に座ると王宮騎士団の騎士がルールの確認をした。
「本日の騎士見習いの試合は8組出場で3名同士の試合となる!試合はポイント制で先鋒戦と中堅戦は勝利すれば1ポイント、大将戦は勝利すれば2ポイントとなる!ポイントが同点の場合は代表者を決め、代表者同士での試合となる!以上!」
第一試合はガルシアとブライアンそしてブルーノが出場していた。ガルシア達は危なげなく対戦する騎士見習い達を降して準決勝戦に進む。
「あいつらムカつくけどやっぱりつよいな。」
「私達も負けないよ!」
「うん!」
第2試合と第3試合が終わりリアナ達の出場する第4試合となった。先鋒はリリアン、中堅はリアナ、大将はカイルだった。
リアナ達の試合になるとレティシアが応援する。
「皆さん!頑張ってー!!」
そしてリリアンの試合から始まった。木の片手斧の騎士見習い相手にしたリリアンは攻撃をかわして瞬時に間合いを詰めると肘を相手のどうに叩き込む。鎧を身に着けていたが対戦相手は倒れた。
「それまで!」
続いてリアナの試合になると対戦は一気に決めようとしてリアナに詰寄った。
リアナは相手の剣を見ながらかわした。
(練習してた騎士さん達より遅い。この距離なら私の剣も届く!)
力任せに振られた剣を交わすとリアナは相手の胴に木剣を叩き込んだ。
「そこまで!」
試合を観ていたアイリーンがリアナが勝利したのをみて興奮した。
「アルフ!見た?リアナ勝ったわよ!」
「うん、凄いね!」
その様子を見ていたガルシア達も驚いていた。
「あのリアナが、、、。」
「少しはやるようになったみたいだな。」
「ふん。俺達には敵わないだろ!」
第4試合の最後になる大将戦でカイルの試合が始まった。
相手は木剣を振るってくるとカイルは難なく盾で防ぐ。渾身の力を込めて振るわれた木剣を、手にしていた木剣で受け流すと盾の一撃を相手に見舞う。グラついた相手にカイルは木剣で一撃を見舞った。
「それまで!」
試合は進みガルシア達は準決勝でも勝ち決勝へと進むとリアナ達の準決勝が始まった。
先鋒のリリアンは難なく相手を降して中堅のリアナもなんとか魔法剣のウィンドブロウ使わず相手を倒すと大将戦のカイルの試合が始まった。
カイルの相手は間合いを詰めると木剣で連続攻撃を仕掛けてきた。カイルはその攻撃を盾で防いでいると相手はカイルを突こうとして来る。カイルは予想してなかったその突きを無理な体勢でかわすと足に激痛が走った。
「っ!?」
カイルは足の激痛に堪えて相手に突進して強烈な突きを見舞った。
「それまで!」
足の激痛に耐えてカイルはリアナ達の元へと戻る。
「カイル!やったね!」
「ああ!でも足を痛めたみたいだ、、、。」
「大丈夫か?!」
「次の試合が終わるまでは何とか耐える!!」
「でも、カイル、、、、。」
「あいつらには負けたくねえ!」
「試合終わったら直ぐに神聖魔法をかけてもらうよ!!いいか?カイル!」
「ああ!!」
カイルが足を痛めたままリアナ達はガルシア達を相手に決勝戦へと進んだ。
先鋒のリリアンは木槍をてにしたブライアンと対峙した。ブライアンが木槍でリリアンを突こうとするがリリアンは左右に尽くかわす。
「貴方の槍なんてあたらないよ!」
「!?この!!」
リリアンの1言に激昂したブライアンは木槍を振り下ろすがリリアンはそれをかわして木槍を叩き折った。そしてブライアンに近づくとリリアンは膝蹴りをみまった
「そこまで!」
中堅のリアナとブルーノの戦いは拮抗していた。リアナはブルーノの激しい剣撃をかわして体力が消耗するのをまった。リアナにだけは負けるわけにはいかないと思っていたブルーノはひたすら攻め続けた。ブルーノが疲れ動きが鈍るとリアナは一気に積めより勝負をかけて突きを見舞う。突きを受けたブルーノはそれを受けて気絶した。
「それまで!」
大将戦のカイルとガルシアの戦いが始まるとガルシアはカイルに巨大な木の両手剣
を見舞ってくる。動きの鈍るカイルは足の激痛に耐えながらガルシアの両手剣を盾で何とか防いでいたが力を込めた一撃で盾が壊されるとガルシアの両手剣が首元に突き詰められた。
「それまで!!」
リアナ達の元にカイルは足を引きずって戻ってくる。
「カイル!」
「大丈夫だ、悪い、、、お前ら」
「まだポイントは同じ!最後まで分からないよ!」
「そうだな、、、リアナ。お前出られるか?」
「私?」
「ああ、ガルシアのあの両手剣はリーチもあるし剣さばきも早い。でも今のお前の剣の実力と魔法剣なら対抗できると思うぜ。」
「リアナ!ここまできたら思いっきり戦うよ!」
「分かった!やってみる!」
「それでは本日の騎士見習いの最後の試合を行う!礼!」
「リアナ、お前じゃ俺には勝てないぜ!」
「私は全力を尽くして仲間達と自分の為に勝ってみせる!」
「お前には田舎戻りがお似合いだ!!」
ガルシアの両手剣がリアナに連続で振られる。リアナは何とかそれを剣で防ぐ。
「どうした?防戦一方か!!」
(やっぱり強い!でもこの距離なら!!)
リアナは剣に風の魔力を込めてウィンドブロウを放つと鋭い突風がカルシアに向かって放たれた。ガルシアは何とかそれに耐えてリアナに渾身の力で両手剣を振るう。そんなガルシアに目掛けてリアナは再びウィンドブロウを放った。ガルシアの両手剣はその風圧に押されて力をうしなう、隙が出来たガルシアに詰め寄ってリアナはガルシアの頭に思いきり木剣を振るった。頭に木剣を振るわれたガルシアは白目を向いて気絶した。
「それまで!!」
リアナが勝利するとレティシアとアルフとアイリーンは立ち上がって拍手した。リリアンと遅れてカイルがリアナの元にやってくる。
「やったぜ!!」
「リアナよくやったよ!」
「私達、、、やったね!」
会場中からリアナ達に拍手と歓声が送られていた。
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