第13話 リアナ達の師
訓練校の休みの日、リアナとカイルとの約束の日エルフリードとエリーは言い合っていた。
「エルフリード様!何処へ?」
「野暮用があってな。少し街へ繰り出す。」
「困ります!貴方にはレティシア様の護衛を務めて頂かないと!」
「俺がいない間はアーチボルトに任せる。」
「エルフリード様!貴方は!!」
「俺をレティシア様の護衛から外すならバイロン陛下に話をしてくれ。」
「、、、、。」
黙り込んだエリーを後にしてエルフリードは街外れへと向かった。
エリーはバイロンに会いエルフリードの事を話した。
「困ったものよ。しかしエルフリードは我が親族であるエウスト公爵家の息子。あまり縛り付ける事もできん。」
「護衛なら確かにアーチボルト様だけでも充分ではあるとは思いますが、、。」
「ふむ、エルフリードは何故、護衛から外れ街へ行ったのか、戻ったら聞き出してくれぬか?エリーよ。」
「畏まりました、陛下」
バイロンと話し終えたエリーは城の門番の所へ行きエルフリードが城に戻ったら真っ先に自分に知らせるように言った。
その頃リアナ達5人は街はずれの約束の場所でエルフリードを待っていた。
「エルフリードさん、こねえな。」
「エルフリード様っていったらこの王国の騎士達の中で一番位の高い人なんでしょう?なんでアンタ達に剣術を教えてくれるのかしら?」
「わかんねえけど昨日確かに約束したんだよ。なあ?リアナ」
「うん、来てくれるといいけど。」
「英雄騎士エルフリード様!私も会ってみたいよ!」
「エルフリード様か。きっと凄い剣技なんだろうね。」
話しをしているとエルフリードが姿を現す。
「来ていたか、、、。その子らは誰だ?見た所騎士見習いでは無さそうな子もいるな。」
「私はアイリーンといいます。魔術師見習いです。こっちの二人は騎士見習いのリリアンと兵士のアルフです。」
「お前達も剣を習いたいのか?」
「私は付き添いで来ただけです。」
「そっちの二人は?」
「私、習いたいの格闘術よ!」
「僕は弓が得意ですが兵士として剣も訓練したいです。」
「そうか。それならお前達も王宮まで付いて来るといい。」
エルフリードの後を5人はついて行き王宮の門番のところまで来ると門番がエルフリードとリアナ達5人を見て驚いた。
「エルフリード様!今日はレティシア様のご友人と王宮へ?」
「レティシア様の友人?」
「はい。この小さな方々は拐われたレティシア様を救ったレティシア様のご友人の方々です。」
「そうか、今日から毎週この曜日に王宮の騎士訓練所でこの者達の剣術の訓練をする。」
「畏まりました!お通りください!」
エルフリード達が騎士の訓練所に行くと門番の1人はエリーからエルフリードが戻ったら教えるよいに言われていた事を思い出してエリーの元に向かった。
リアナ達を連れて騎士の訓練所に向かった事やこれから毎週この曜日にエルフリードがリアナ達に剣術を教える事を知ったエリーはバイロンの元へと向いその事を伝えにいった。
「そうか。エルフリードはリアナ達に剣術をな。」
「はい。最初はレティシア様の護衛から外れた事に遺憾を覚えましたが、リアナ様達を将来レティシア様の護衛にするならエルフリード様の剣術指南を受けるのは非常に有用かと。それにレティシア様もリアナ様達の様子を見れば剣術に興味を持つかもしれません。」
「ふむ、レティシアは剣を嫌う娘だが自ら剣術に興味を持ちを学ぶ事は良いかもしれぬな。エリーよリアナ達の剣術の訓練をレティシアに教えて同行するように話してくれ。」
「はい。陛下、レティシア様も喜ばれるでしょう。それでは失礼いたします。」
「うむ。」
エリーがレティシアに騎士の訓練所へ連れていく前にリアナ達は訓練所で剣術の稽古をしていた。
エルフリードはリアナとカイルのアルフ剣術を見ていてカイルには天才的な才能がある事、アルフは剣を振るった事が無い割には筋が良い事。リアナの剣も太刀筋は決して悪くない事を見抜いた。
三人の中のリアナの弱点は身長の低さだった。身長の高い者との戦いでは身長の低い者は剣が届くまで相手の懐に入り込む事になるがリーチの差があるためそれは難しい。武器を間合いの長い物に変えるかこの先身長が伸びれば剣術でかなり有利になる。だが身長が伸びる保証はどこにもなく、今は間合いの広い武器を扱うには筋力も足りそうにない。
エルフリードはそんなリアナに自身も扱うことがある魔法剣を覚えさせる為にカイルとアルフを加えた三人の中でリアナにだけ剣術の稽古を中断させて瞑想をするように言った。
エルフリードの意図が分からず困惑するリアナにエルフリードは魔法剣を覚える為と伝えるとリアナは魔法剣とは何か分からないままそれに従った。
エルフリードは自分のように全ての属性の魔法剣をいきなりは覚えさせられないことを承知していた。そのため離れた相手にも有効な風の属性の魔法剣を覚えさせるためにリアナに風の属性を感じられるようにイメージしながら瞑想するように言うとカイルとアルフに剣術を叩き込む。
リリアンには王立騎士団の騎士達の格闘術を身に着けさせるために騎士の1人を呼んで訓練させていた。
アイリーンはエルフリードがリアナに風属性の魔法に関する事を教えようとしてる事を見てリアナに瞑想の助言をしていた。
三人が訓練してアイリーンが瞑想するリアナを見ている中レティシアはリアナ達がいる事を聞いてアーチボルトとエリーを連れて訓練所に訪れる。
「皆さん。お疲れ様です!お茶にしませんか?」
レティシアがそう言うとエルフリードは訓練していた四人に休憩するように言って一行は一息いれる事になった。
剣を握る事に慣れてないアルフの手に血豆が出来ている事に気づいたレティシアは
アルフに神聖魔法のヒールを使い傷を癒やした。
「凄いな!レティシア!村でもやってたけどうやるんだ?」
「カイル。お前、神聖魔法に興味があるのか?」
「はい!エルフリードさん!剣術も学びたいですが気になってます!」
「そうか。分かった。」
エルフリードとカイルの話が終わるとアーチボルトの存在が気になるアイリーンは声をかけた。
「そちらにいらっしゃる魔導師様はアーチボルト様では!!」
「ええ、私はアーチボルトです。」
「私に魔法を教えて頂けませんか?!」
「今はレティシア様の護衛なのでそれは難しいですな。」
「アーチボルト様、私、毎週ここに訓練にきますだからその間このアイリーンさんと私に魔法の勉強を教えていただけませんか?」
「レティシア様、それはかまいませんがエリー殿はどう思われます?」
「レティシア様にも良い話ですね。レティシア様も一緒にいるわけだし私からもバイロン陛下にお話しておきます。」
「そういうことなら見させていただきましょう。」
「ありがとう!エリーさん、レティシア!アーチボルト様!よろしくお願いします!」
「丁度良かったアーチボルト、来週の午後からはリアナにも魔法の指導をしてやってくれないか?」
「、、、、、魔法剣ですか?」
「ああ、リアナには魔法剣を教えてやりたい。頼む。」
「分かりました。エルフリード」
「カイルは神聖魔法にも興味があるようだから午後から教会に行ってもらうようにする。リリアンとアルフは午前は格闘術と剣術の訓練、午後からはアルフは弓術の訓練リリアンは筋力トレーニングがいいだろう。」
そして訓練を再開した四人は遅くまでエルフリードの指南をうけた。
「今日はこれで解散する!また来週のこの曜日のこの場所でな。」
こうして六人はエルフリードとアーチボルトの訓練を受ける事になった。
リアナ達はレティシア達に挨拶すると訓練所を後にした。
途中アルフは兵舎に行って四人とわかれリアナ達三人は寮に戻った後厳しい訓練をしたあとだったので食事を終えると直ぐにその日は眠りについた。
1人起きていたアイリーンはアーチボルトに会えた感激をいまだに忘れられなった。
(アーチボルト様!素敵。)
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