第12話 エルフリードとの出会い
レティシアと楽しい日々を過ごし終えると新しい生活が始まり、アルフは兵舎に移ってアイリーンは魔術師の訓練校に、リアナとカイルとリリアンは騎士の訓練校に通いだしていた。
訓練校で稽古をするリアナだったが練習試合などでは一度も勝てなかった。授業が終わると校内に遅くまで残り剣を振るうそんな日々になっていた。
そんな日々をリアナが送る中、エリーとバイロンはレティシアの身を守る護衛集団のプリンセスガードを創設しようと考えていた。
「最近のレティシアは良い顔をするようなになった。まこと嬉しいことだ」
「リアナ殿達、ご友人の方々の存在が大きいと思われます陛下。」
「レティシアの護衛をしていた騎士は信頼出来ると思っていたがレティシアは拐われた。王都の騎士達の代わりにリアナ達をレティシアの護衛につけるのはどうか?そうすればレティシアも喜ぶだろう。」
「良い案かと思われますが、リアナ殿達はまだ騎士や魔術師の見習いや新米の兵士、訓練校の校長達にリアナ殿達が護衛として適正があるかをを見て貰い、当面の間はエルフリード様とアーチボルト様にレティシア様の護衛を任せるのがよろしいかと。」
「ふむ、そうだな。そのようにしてくれ。レティシアには近くリアナ達を護衛にするかもしれないと話して置いてくれ。エリー。レティシアも喜ぶだろう。」
「はい、陛下。レティシア様もきっと喜ばれるでしょう。」
プリンセスガードの創設の話が出たあくる日もリアナは訓練校の授業がおわると剣の練習をしていた。
そんな熱心さにカイルが練習相手を務めると、身体の大きい騎士見習いのガルシアと他の二人の騎士見習い、ブライアンとブルーノがリアナとカイルのもとにやってくる。
三人は爵位を持つ貴族の息子たちで地方の小さな村出身のリアナとカイルになにかと絡んで来ることが多かった。
「お前達はレティシア様と仲がいいらしいな、貧乏な村のお前達はレティシア様の
お情けで騎士見習いになったんだろ?」
「なんだって?!」
「特にリアナ、お前は誰からも一本取れないじゃないか。お前なんか騎士になれるかよ。」
「貴方達が何を言おうと私は必ずこの国の騎士を目指す!行こう!カイル!」
「明日の剣の稽古でみてろよ!お前ら!」
「お前の剣は俺には届かないぞ!カイル!」
そう身体の大きい騎士見習いが言うとカイルは悔しがりながらリアナと訓練校を後にした。
次の日、剣術の練習試合でリアナとカイルは三人の騎士見習い達と稽古をしたが敗れた。
「クソッ!悔しいぜ!」
カイルは村では若手の中で一番の剣の使い手だったがガルシアには完敗だった。リアナの方は三人の誰にも勝てなかった。
「カイル!もっと練習して強くなろう!」
「ああ!絶対にあいつを打ち負かしてやるぜ!」
週一度の訓練校の休みの日までリアナとカイルは街の外れで剣の稽古をしていた。
カイルに一本取られたあと何回も二人で素振りをする。
その様子を見ていた1人の騎士がリアナとカイルに声をかけた。
「熱心だな?騎士見習いか?」
「はい、、、、!?」
そう答えたリアナは村でバイロンの直ぐ側に控えていた騎士だった事に気づく。
「おっさんは?」
そう言うカイルにリアナが小声で促す。
「カイル!きっと身分の高い人だよ!」
そんな二人のやりとりを見ていた騎士はリアナとカイルに自分の名を告げた。
「俺の名はエルフリードだ。お前達の名は?」
「え、エ、エルフリード?!ごめんなさい!俺カイルっていいます!貴方に憧れて騎士を目指しています!」
「私はリアナです!エルフリード様!」
血豆だらけになっている二人の手を見たエルフリードは神聖魔法のヒールを使い二人の手を癒した。
「ありがとうございます!」
「ありがとうございました!!エルフリードさん!」
「お前達、良かったら来週もここへ来い望むなら剣術を教えてやろう。」
「はい!!ぜひ!」
「ありがとうございます!エルフリード様」
カイルとリアナは寮に戻って食堂に顔を出すとリリアンとアイリーンが先に座っていた。
「最近二人とも遅い!何してるよ!」
「ごめん、リリアン剣の稽古してるんだ。ね?カイル」
「おう!今日はエルフリードさんに会って、来週の休みの日から剣術を教えて貰うんだ!!」
「私もいくよ!いいか?」
「うん、一緒にいこう!」
「稽古はいいけど身体壊すんじゃないわよ?」
「アイリーンも来るよ!」
「うーん。そうね、、、、。アンタ達いないと面白くないし、わかったわ。週一度だしアルフも出来たら呼ぶわよ!」
そして四人は部屋に戻っていった。その頃アルフは兵舎で字の勉強をしていた。
(ようやく字を覚えてこれたよ。必ずレンジャー隊に入って皆に恥じないようにしなきゃ。)
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