第11話 再会

 朝早くに管理員に起こされてリアナ達は寮長の元にきた。そこには近衛騎士もいて近衛騎士はレティシアのもとへ自分と一緒に来るように言ってきた。 


 リアナ達はリリアンを連れて近衛騎士について行き王城へと向うとレティシアの部屋の前まで案内される。レティシアの扉の前にはエリーが控えていてリアナ達を連れてきた近衛騎士に声をかけた。


 「連れてこられたのですね。後は私が引き受けます。ご苦労様でした。」


 リアナ達を連れてきた近衛騎士は後をエリーに任せてその場を去るとエリーはリアナ達に挨拶してレティシアの部屋の扉をノックして呼びかけた。


 「レティシア様、ご友人様達がお越しになられていますよ。」


 「今いきます!」


 レティシアは返事するとすぐ扉から出て来た。


 「皆さん!良かった!また会えて。」

 

 レティシアはリアナ達に挨拶するとリリアンを見て口にした。


 「そちらの方は?」


 「私、リリアンよ!騎士見習いでリアナ達の友達よ!お姫様よろしくよ!」


 「こちらこそ、よろしくお願いします。リリアンさん。私のことはレティシアで大丈夫です。」


 「了解よ!レティシア!」


 「皆さん、よろしければこれから街へ行きませんか?」


 「いいな!俺達まだ来たばっかりだから案内してくれよ!」


 「うん、でもネフェの事も気になる」


 「ネフェ?ですか?」


 「そう、大猫の子よ。」


 「それならその子もつれて行きましょう!エリー、今日は皆とずっと過ごしていいですか?」


 「はい、レティシア様。今日からリアナ様達の訓練が始まる日までゆっくり楽しんでください。」


 「ありがとう!エリー!皆さん行きましょう!」


 王宮を後にした六人は寮にもどるとネフェを連れ出す。

  

 「ミャー!」


 「か、かわいいですね!」


 ネフェのあまりの可愛さにレティシアは目の色を変えて大猫の子供は何処で売っているのか聞いてきたので草原で母猫を失って一匹で鳴いてる所を拾ったリアナ達は話した。


 ネフェを抱っこしていいか聞くのでリアナ達が許可するとレティシアはネフェを抱き抱えた。抱き抱えられたネフェはレティシアの腕の中でゴロゴロと喉を鳴らす。


 「レティシアにも懐いたよ!」


 「そうなんですか??」


 「大猫は慣れてない人には喉は鳴らさないんです。レティシア様」


 「そうなのですね。よろしくね!ネフェちゃん。」


 「ネフェも連れて来たことだし早速、街に行こうぜ!!」


 「案内しますね!」


 レティシア達はまず近場にある施設を案内していく。


 「ここは錬金術の器具やポーションなどの薬品を扱ってるお店です。」


 「訓練校で習ったらお世話になりそうね。」


 アイリーンがそう言うと錬金術店を後にして次は武具店へとやってくる。


 「ここは王都にある武具店の中でも特に人気のお店です。」


 「中に入ってみようぜ!」


 六人が武具屋の中に入るとそこには刀剣類はダガーからグレートソードまで、鎧類はレザーアーマーからプレートメイルまでその他ボウ類、アクス類、スピア類、シールド類、魔法使い用のロッドや杖まで置かれていた。


 「すげー!村の刀剣類とは切れ味が全然違いそうだな!!」


 そう言ってカイルは得意としている武器のロングソードを眺めた。


 アルフはボウ類をアイリーンは杖をそしてリアナはバスタードソードを眺めた。


 「リリアン、アンタは見ないの?」


 「私の武器はこの拳よ!」


 「お嬢さん、得意なのは格闘術かい?それならナックル類があるよ。」


 店主にナックル言われリリアンは手に身に着けるナックル類の武器を見た。


「これは!いいよ!!」


 夢中で武具を見るリアナ達にレティシアは騎士や魔術師、精鋭の弓歩兵になれたらお祝いとして好きな武具をプレゼントする事を約束して六人は店を後にした。


 「腹減ったな。」


 「そうだね。」


 「それなら、皆さん食事に行きましょう。」


 レティシアに連れられてリアナ達は高級な料理店に入った。

 

 料理表をみて六人はそれぞれ食べる料理とネフェに渡す料理を決めるとウェイターを呼んだ。


 「ご注文は?」


 「俺は牛のステーキ!」


 「チキンのローストをお願いね。」


 「私はシチューとパンを」


 「私はピッツァ、お願いよ!」


 「ええと僕は、、、猪の肉の料理はありますか?」


 「猪ですか?家畜の豚肉のソテーなどならありますが?」


 「じゃあ、それをお願いします。」


 「私はサラダとパンをお願いします。」


 皆の注文が終わるとしばらくして料理が運ばれてくる。


 「うめえ!」


 「ちょっと!カイル!アンタもう少しキレイに食べなさいよ!回りから注目を集めてるわよ!」


 「俺はそんなのきにしねぇ!」


 六人は食事を終えると店を後にした。外でネフェが待っていた。


 「ニャーン!」


 「ごめんね。ネフェ、これ食べて」


 魚の干物を渡すとネフェは夢中で食べた。ネフェが食べ終えるとレティシアは再び街を案内した。


 「暗くなってきたね。」


 「そうね。今日は戻る?」


 「そうだな!」


 「分かりました。皆さんの事はいつでも王宮に入れるように伝えておきますね!」

 

 別れの際リアナは気になっていた。ネフェの事を話した。


 「レティシア、あのね、このまま大きくなると寮じゃ飼いづらくなるからネフェの事を引き取ってもらえないかな?」


 「ネフェちゃんを?!もちろんです!!」


 レティシアに抱きしめられたネフェは喉をゴロゴロ鳴らす。


 「ネフェまた会いにいくからね。レティシア、また明日ね!」


 「レティシア、ネフェ、またよ!」

 

 「またな!ネレティシア、ネフェ!」


 レティシアとネフェに別れを告げてリアナ達は寮にもどった。


 レティシアはネフェを連れて私室の前にに来るとエリーがネフェの事を聞いた。


 「レティシア様!その大猫の子供は?」


 「ネフェです。飼おうと思っています。」


 「それは大猫の子供、大きくなると危険かもしれ、、。」


 エリーが大猫の話をしようとした時、ネフェはエリーの足に身体を擦り付けた。

 

 「ニャー!」


 (か、かわいい)


 「エリー?どうしたのです?」


 「い、いえ。飼うなら責任を持って飼うようにしてください。いいですか?レティシア様?」


 「うん。ありがとう!エリー!」


 レティシアはその日夜になるとリアナ達と街を見て回った事を思い出しながらネフェと共に眠りについた。


 

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