第9話 カーライルに向かって

 次の日の朝早くにクリスから起こされたリアナ達は宿屋のテーブルで朝食を済ましてクリスに連れられて城へと向かった。

  

 城の外で待機するように言ってクリス達は城の中へと入って行った、残されたリアナ達は城に何の用があるのか疑問に思っていた。


 しばらく待っていると栗毛の馬に乗ったリリアンがクリス達と共に戻ってきたのでリアナ達は驚いていた。


 「皆!また会えてうれしよ!」

 

 「リリアン、アンタ、どうして?!」


 「皆と同じ!王都の騎士見習いになるよ!」


 「お前達、リリアン様と知り合いなのか?」


 クリスの問いにリアナ達は先日のリリアンとの出会いを話した。クリスはリリアンが侯爵令嬢である事を告げて言葉使いを改めるように言ったがリリアンはリアナ達が気を使わないようクリスに促した。


 侯爵の街から外へでるとアルフとリリアン以外の三人は馬に乗っている近衛騎士の前に座り出発した。リアナ達見習い志望の5人はカーライルへの街道で会話していた。


 「王都ってこの街より広いんだよな?食い物屋とか武具屋もあるんだよな?楽しみだなー!!」

  

「私もたのしみよ!」


 「食べ物とか良いものだろうけどきっと高いわよ。」


 「早くレティシアに会いたいね。」


 「うん、僕も会いたい。」


 「あら?アルフ、ひょっとしてアンタ、レティシアが好きなの?」


 「ち、違うよ!友達として会いたいなって。」 


 そう言ったアルフは顔を赤らめていた。

 

「あはは、アルフお前って結構顔に出るんだな!レティシア可愛いもんな!」


 「アンタほど顔に出てないわよ。カイル。」


 「俺が単純だっていいたいのか!アイリーン!」


 「そのとおりよ!」

 

「お前達、頼むからもう少し静かにして乗ってくれないか、、、。」


 近衛騎士の一言にも耳を貸さずアイリーンとカイルはしばらくいい合いをしていた。そんな中アルフはレティシアの顔を思い浮かべていた。


 (皆と一緒にもう一度レティシア様と会える、、、、。)


 その頃、王都での生活に戻っていたレティシアはリアナ達の事を思い出してため息をついて呟いた。


 「皆に会いたい、、、、。」


 そんなレティシアの元に教育係のがエリーがやって来る


 「姫様、王都に戻ってから元気がありませんね。どうされました?」


 「何でもないです。エリー」


 「そんな顔をして言われても説得力がありませんよ?」


 「うん、、、。エリー、実は友達に会いたいなって思っていました。」


 「姫様にも友人が出来ましたか。嬉しく思います。そのご友人達は何処に?」


 「ここから遠い辺境の村です。お父様は皆と家族が望むなら来てもいいとおっしゃってました。」


 「それで悩んでいたのですね。私からも王都にこれるようにそのご友人のご家族に話をしてみましょうか?」


 「本当ですか?!エリー!皆ずっとこの王都にいても?」


 「そのご友人のご家族からの返答がいかなものになるかわかりませんが王都に来て暮らせるように掛け合ってみましょう」


 「エリー!!ありがとう!」


 「いえいえ、そうしないと勉強も捗らないようなので。後ほどその村へ伝書鳥を使わせます。レティシア様、これから神聖魔法の勉強ですよ。」

 


「分かりました!エリー!」

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