第2話
ひまわりが全部僕の方を向いている、太陽をそっちのけで。
「君はなんて名前なの?」
「
「玲くん、いい名前ね」
「貴方はなんて呼べば良いですか」
「
「なるほど、よろしくお願いします」
瀬波さんがひまわり畑の中を割って入るので、僕もその後ろを着いていく、白いTシャツに汗がへばりつくのでパタパタして肌と服の間に隙間を作る。
「瀬波さんは父とはどういった関係なんですか?」
「これから君が考えてくれたら嬉しいな」
彼女はガラケーをパカッと開くと時間を確認した。
僕はそこに違和感を感じることなく彼女の後を追いかける。
「ここを通り抜けると古本屋さんがあるの、そこにあなたのお父さんの本を探しましょ」
「父は本を書くんですか?」
「書いてるよ、今も書いてる」
いつもパソコンばかり使っているのは本を書いていたからか、でもパソコンの画面はいつも数列ばかりで文字なんて見たことないけど。
「そんな趣味があるなんて知りませんでした」
父にこんな若い学生の知り合いが居るなんて、地元の友達の子供さんかな、でもなんでそんな子が僕の父さんのこと知ってるんだろう。瀬波さんは僕が考えろって言ったけど、わからないよ。もしかしてロリコン、?
そう考えてしまうと、悪い思考が止まらず流れて咄嗟に声が出た
「あ、あの瀬波さんは美人だしなにより年齢が違うんですから!もっと若い人といた方がいいのでは」
瀬波は頭にハテナをうかべてぽかんと答える。
「玲くん若くないの?」
「いや、僕は若いですけどその、僕のお父さんは歳とってるじゃないですかしかも既婚者だし…」
ふふふと笑うと玲を安心させるかのように微笑んだ。
「そういう関係じゃないから、あんしんして」
そうこう話をしている間に、古本屋に着いた。
そこには二階建ての古くさい建物がたっていた。
ボロボロになった布でできた薄汚れた黄色い看板には『古本屋 柊ひいらぎ』と書いてある。
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