第9話夜と選抜

蒼麻サイド

おれは食器を洗い食洗機にぶち込んだら自分の部屋に戻り、音ゲーをした。


「そこの32分は無理、…何その配置…ソフラン…螺旋階段出すなよ…やっと終わった。


さーて、ミスはいくつかな……231、だと

これがエキスパとか終わってるだろ


おれは音ゲーに文句をたくさんつけていたら後ろからドアが開く音がした。


「どうしたの、渚?」

「……」

「渚さーん?」


おれは様子が変に感じたので、とりあえず熱があるか確認した。


「渚、熱があるから、一旦自分の部屋のベットで待ってて、体温計と解熱剤持ってくるから」

37.7とかかな

おれは予想をしながら体温計と解熱剤を持って渚の部屋に入った。


コンコン


「渚、入るぞ」


おれはドアを開け、渚に体温計をあげた


「…流石に、自分で測れよ」


いつもと違って、テキパキと動いてないな、鉛を付けながら動いてるみたいだ


「じゃあ、これ飲んで、解熱剤だから」


体温は…惜しいな、37.9か


「じゃあ、おれは自分の部屋にいるから、困ったり、苦しくなったら、いつでもよんで、じゃ」


そしておれは渚の部屋から出ようと立とうとしたら渚がおれの腕を掴んできた


「どうしたの」


おれは心配の声を掛けた瞬間


「ちょ…渚どうした」


おれは、渚に押し倒された。

渚の手がおれの服を掴み、強く引き寄せる、息がかかる距離に、渚の瞳がじっとおれを見つめている。

おれの知っている渚ではなかった。


「渚落ち着け」


おれは渚から離れようとしたが力の差が歴然だった。

どんなフィジカルしてるんだよ、普通に負けてるんだが


「ごめん…もう、無理…我慢できない…」


渚の声はかすれ、切羽詰まっていた。

渚がおれの首を舌で舐め、その後頬にキスをしてきた。

これが渚からのファーストキスかよ、最悪だな


おれは何とかして渚を落ち着かせる方法を考え、おれは渚を強く抱きしめた。


「渚、大丈夫だ…落ち着いてくれ」


彼女の身体が一瞬びくりと震え、荒れていた呼吸が徐々に落ち着き始めた。おれはそのまま、彼女をしっかりと抱きしめ続けた。

渚の体は少しずつ力を失い、さっきまでのくそ強い力はなくなっていった。しばらくして、彼女の身体が完全に脱力し、おれの腕の中で気を失った。

渚の呼吸は平穏を取り戻し、顔にはいつもの穏やかで誰にでも優しい表情が戻っていた。


渚サイド


楽しい楽しい週末が終わり私は吹部の朝練に来ていた。


「ねーねー、渚ちゃん」

「何ですか?


この子は藤崎 玲奈ふじさきれいな

玲奈ちゃんは、クラスの中でもひときわ目立つ存在です。彼女の性格はとても気さくで、誰にでも優しく声をかけるため、すぐに打ち解けることができます。

現に私が教室で一人いた時に何回も喋りかけてくれました。

何か困ったことがあると、すぐに手を差し伸べてくれる心優しい性格の持ち主です。また、彼女の自然体での会話や明るい笑顔には、周りの人たちも安心感を覚えます。少し天然な一面もあり、時々おかしなことを言っては周囲を笑わせることもありますが、それすらも彼女の魅力の一部です。


彼女の見た目は非常に印象的です。肩までの長さのストレートヘアは、赤みがかったブラウンで、日差しに当たると輝くように美しく、風に吹かれると柔らかく揺れる様子が目を引きます。身長はやや高めで、細身ながらもしなやかなスタイルを持っており、動きに優雅さがあります。玲奈はカジュアルな服装が多いですが、いつもどこか上品で、シンプルなアイテムでも洗練された着こなしをするのが得意です。


そんな玲奈ちゃんはフルートを演奏する時の姿は真剣そのもので、普段の柔らかい雰囲気から一変して集中し、繊細で美しい音色を奏でます。フルートの演奏が始まると、彼女の周りには静かな緊張感が漂い、その姿勢はクラスメイトからも尊敬されています。


そして重度なオタクです


「この前紹介したボカロ聞いてくれた?」

「すいません、時間があまりなくて」

「そんな君にこの音ゲーはどうだい?」

「なんですかこれ?」

「これは主にボカロをメインに沢山の曲が入っている音ゲーで、この中に私が勧めた曲が入ってるからダウンロードしてみて」


そういえば、蒼麻君もしてたような


「因みに、蒼麻君もしてるよ」

「…入れましょう」

「多分朝練が終わる頃にダウンロードは終わると思うよ」

「わかりました」

「よし、じゃあ今日も張り切って行こう」


朝練が終わり楓ちゃんとも合流し教室に入った。


「吹部組帰ってきたよ」

「朝練おつかれ」

「おつかれ、で、何の話してたの?」

「そろそろ捌交戦だなーって


この子は佐伯 美優さえきみゆ

美優ちゃんはふんわりとした茶色のボブで可愛らしい見た目なので男子からも人気が高く、いつも淡い色合いのワンピースやカーディガンを着ているので、服装により更に人気が加速されています。更に、チアリーダー部の在籍しており、笑顔も素敵で、1回微笑んだだけでクラスの男子が盛り上がるレベルです。

何気ない話で盛り上がることが多く私達のグループで一番ボケることが多い人です


「会場が遠いから嫌なんだよね」

この子は橘 夏音たちばなかのん

夏音ちゃんはずっとぼーっとしており、授業中も窓を眺めてはぼーっとし、たまにノートをとる、マイペースの極みみたいな人です。

身長も高く、髪も艶があるきれいな薄い緑のロングで、頬杖をつきながら窓で外を見る姿は、まるで絵になり、第捌魔法高専内で風の女神という別名を持っており、また、風魔法の匠に扱えるのも別名の由来になっているらしいです


「夏音は推薦で捌交戦メンバー確定だもんね」

今喋った人は本田 奈々ほんだなな

奈々ちゃんは冷静沈着で頭もよく、よく私達と喋りながら推理小説を読み、美優ちゃんがボケたらツッコミをいれる大切なツッコミキャラです

魔法の操作も学年で上位に入るレベルです

また、この6人グループは私以外全員内部進学組で、楓ちゃんのおかげで私もこのグループに入ることができ、高専にも馴染むことができました。


「捌交戦?」

「知らない?最初の説明会で言わなかった?」

「違うよ美優、渚は蒼麻君しか興味ないんだから、脳みそに記録しようともしなかったんだよ」


私は蒼麻君の方を見ました。蒼麻君は加藤さん達のグループで楽しく喋っているので多分聞こえてないでしょう


「奈々ちゃん」

「ごめんて」

「可愛いねー私の渚ちゃんは」

「いつから玲奈ちゃんのものになったんですか」

「だめだよ玲奈、渚は蒼麻君のものなんだから」

「奈々ちゃんまでノリに乗らなくていいですよ…それより捌交戦について教えて下さい」

「捌交戦っていうのは、8個ある魔法高専が魔法を使った種目で優勝を決めるって大会で、今年の捌交戦を優勝したら第捌魔法高専は3連覇できるんだよ」

「第捌魔法高専って強いんですね」

「うん、特に今年は強いと思う」

「そうなんですか?奈々ちゃん」

「夏音のお姉ちゃんがでるから」

「夏音ちゃんのお姉さんってどんな感じなんですか

「私のお姉ちゃんはどんなときでも冷静で風魔法も私より上だし、全てにおいて私より格上かな」

「すごいですね」


蒼麻君も出るのかな

ガラガラ


「お前ら―席につけー」

「じゃあまた」

「…よし、じゃあ今から捌交戦について話をするからちゃんと聞けよ」


ちゃんと聞いとこう


「まあ、殆どの奴は知ってると思うが、捌交戦は5月10日から20日の10日間に5つの種目で優勝を競うものだ、そして、今日から選抜が始まるから、ダンジョンでモンスターを沢山殺してもいいし、レート戦でたくさん点を稼ぐのもいいし、ゲートが発生したら、率先してCPMの部隊と協力して塞いで稼ぐのもよし、そして、その点数の上位者が選抜され、メンバー入りできる、もしくは、推薦されてメンバー入りするのどちらかだ、今週は部活もないし、このホームルームと選抜についての説明が終わった後は各自帰宅していいよ」


そうなんだ、今日は蒼麻君と一緒に行動しとこうかな

私は隣りにいる蒼麻君を見て、目があったので皆さんにはわからないように小さく手を振りました。

ふふ、蒼麻君照れてる、照れてる顔も可愛いな

蒼麻君は顔を赤らめながら手を振り返してくれました。


蒼麻サイド


なんだろう、この優越感


「顔キモいぞ」

「自己紹介?」

「殺すぞガキ」

「怖いって理久さん」

「馬鹿うざい…そんなことより、お前、なんでさっきニヤニヤしてたんだよ」


マジか、顔に出てたか


「まあいいや、とりあえず行くか」

「そうだな」


おれはいつものメンバーのとこに行き、体育館に向かった。


「全クラス集まったので今から捌交戦の選抜について説明します」


おれは推薦でもうメンバー入り確定だから聞かなくてもいいんだよな


「説明するのは、捌交戦メンバーのリーダーである忍冬 志乃にんどうしのがおこないます」


忍冬さんは高専内屈指のスナイパーで、魔法を300メートル以内だったら相手にほぼ100%当てれるというほぼシモヘイヘと同じみたいなものだ、まあシモヘイヘは魔法でのバフ無しで当ててるからレベルの違いが歴然だ


「まず、選抜メンバーを決めるためには今までと同じ、ダンジョンでモンスターを倒して、点数を上げてもいいし、校内戦でたくさん勝って点を稼ぐのもありです、またゲートが発生した場合CPMの部隊と協力して倒すのも点数をもらえますので、皆さんがんばってください、また、順位はアプリで確認できるので各々確認をよろしくお願いします。では、今から推薦でメンバー入りをはたした人達を紹介します」


きたきた

そして、忍冬さんから徐々に呼ばれた人が壇上に登りとうとうおれが呼ばれた。


「唐獅子蒼麻」

「はい」


おれは名前を呼ばれたのでゆっくりと壇上に登った。



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