第5話大事な1日

「だとしてもおれはしのさんだけどな」

「はぁどう考えてものださんだろ」

「いやいやどう考えても結菜さんだろ」


うちの部活のマネージャーには双子の2年生がいて、しのさんと呼ばれているのが篠田真冬しのだまふゆさん、のださんと呼ばれているのが篠田千夏しのだちかさん、そして、3年生の東窪結菜ひがしくぼゆなさんがいる


この人達は毎回、練習試合があったり、大会があるときにはどっちが好みだ、という話が毎回聞こえてきてほとんどの部員たちがそれの結果次第で


「あいつら、マジありえねー」

「見る目無いのかよゴミどもが」

「眼科受診しろ節穴」


などの罵詈雑言を言ったりする、高専男子怖い


「蒼麻は誰?」

「おれは誰でもいいかな」

「強いてで言えば?」

「まじで誰でもいい」

「まぁ、こいつには遠泉がいるからな」


理久さん、それはいらないよ


「別にそんな関係じゃないよ」

「じゃあ狙っても良い?」


それは嫌だが


「まずお前は、クラスが違うだろ」


そう言って体育館に向かった。


渚サイド


「奥にいるマネージャーさん、美しくない?」


確かに奥にいるマネージャーさんは、可愛いというか、美しい感じかな


「確かに美しいですね」

「どうしようかな~,、っあ君たちもしかして体験?」

「はい」

「そうかそうか、じゃあとりあえず体育館シューズに履き替えて、そしたら入っていいよ」


そして私達は体育館シューズに履き替え、入った


「まじで来たんだね、二人とも」

「私が嘘を言うとでも思ったんですか」

「そーだぞー」

「まぁ、少しは思ったかな」

「なんでで」


私がなんでですかと言おうとしたら蒼麻君が急に前に来ました。


「危ない…リバウンドしっかりとれよ」

「ごめんごめん」


何が起きたのか私はわからなっかた


「ごめんね、、急にボールが飛んできてびっくりしたでしょ」


ボールが来たんだ


「はい」

「バスケはボールを使う特性上、急に変なとこから飛んでくることがあるから気をつけてね…っあ私は篠田千夏、皆からのださんって呼ばれてるから、気軽にのださんと呼んでね」

「わかりました」

そして私達はのださんが双子であり、向こうにいるのが篠田真冬さんでしのさんってみんなに呼ばれているのを知りとりあえず私と楓ちゃんは挨拶をしに行った。


「今日からマネージャーになる如月楓です」「遠泉渚です」「よろしく…向こうにいるのが3年の結菜さん、とりあえず挨拶に行ったほうがいいよ」


双子でも全く性格は違うんだそう思いながら東窪さんのところに向かった。


「双子なのに性格は真反対なんだね」

「まーでもさっきがはじめましてだから仕方ないんじゃない」

確かに、いやだとしてもじゃないかな、それになんも嫌気を感じ取れない楓ちゃんもどうかしてるけど

「マネージャーになる予定の如月楓です」

「遠泉渚です」

「東窪結菜です、こちらこそよろしく、高専の使用上私達3年生は全員5年の7月にある最後の高専大会まで残るから、仲良くしていこうね」

「はい」


私達は大きな声で返事した。

そこからマネージャーとして色々動いた。


「ありがとうねー」

「いえいえ、別に私がしたかったことですし」

「そうかいそうかい…ところで渚ちゃん」

「なんですか?」


急に結菜さんの雰囲気が変わった。

真面目な話なんだろうと思い、少し姿勢を正した。


「絶対、蒼麻君目当てで入ったでしょ」


…私って隠すの下手なのかな


「…やっぱり、バレバレでしたか?」

「うん、…マネージャーをした理由は蒼麻君を間近で見れるからとかかな」

「はい…まぁそんな感じです」

「青春してるね」

「結菜さんはなんでマネージャーをしたんですか?」


私は興味本位で聞いてみた


「私も渚ちゃんとほぼ同じだけど、好きな人を支えたいからかな」

「教えて下さいよ」

「まぁ…そうだね、教えないと釣り合わないね」


結菜さんは深呼吸をした。


「キャプテンの涼太だよ」

「そうなんですか」

「うん…絶対に言わないでよ」

「それはお互い様です」

「そうだね、よし、じゃあ体育館に戻ろう」

「はい」


お母さん、お父さん、奏で、この日は、私にとって大事な1日になると思います


蒼麻サイド


「どうだった、初めての部活は」

「楽しかったですよ」

「てか、今週の土曜日か日曜日暇?」

「暇ですけど、、なんでですか」

「おれの新しいバッシュを買いに行きたいんだけお、渚のバッシュをついでに買いに行こうかなって、、別に如月と行くんだったらそっちにを優先してもいいけど」

「行けます、何時ですか」

「午前10時とか」

「わかりました、それじゃあまた明日」

「っあ、ちょっと待って渚」

「なんですか」

「前のご飯のお礼をしたいから今日おれのおごりでどっか外食に行かない?」

「いいですよ、お礼なんて」

「いや、お礼をしないと釣り合わないし、母さんに殺されそうだし」

「蒼麻君のお母さんてお礼とかに厳しかったですもんね…わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」

「じゃあ20分後くらいに連絡するから」

「わかりました」


可愛い服とか来てくるのかな


「っは」


おれは何を考えているんだ、ただおれは渚にお礼をするだけだ


渚サイド

澪がこんな時間で寝てるなんて珍しいな

私は澪が寝ているのを確認し多分1人で夜ご飯も食べたんだろうと思い着替えました。


しっかりオシャレして少しでも可愛く見てもらわないと

私は淡いブルーのシフォンブラウスと白いAラインスカートをきてホワイトのショルダーバッグと小さなパールのピアスを身に着けました


我ながらにいいファッションセンスだと思います

これもお母さんが服とかをたくさん買ってくれたからですね、後で感謝の言葉を電話で言いましょう

ブーン、ブーン


「っあ、もう20分経ちましたか」


私は急いで机においてあったスマホをとり蒼麻君からの電話を取りました

「もしもし」

「お、今から向かうけど準備は大丈夫?」

「はい」

「じゃあ向かうよ」


そして電話が切れました。

最後に鏡を見て変じゃないかを確認しました。


「よし、いってきます」


それを最後に家から出た。


蒼麻サイド


今、こいつの好きな寿司を食べに来たのだが

可愛すぎる

高専に行く服でも清楚感が惨め出るのに、今の私服は渚の大人な感じと上品さをプラスされており、この服で高専に行ったら男子からの告白が絶えないだろう


「どうかしましたか?」

「いや、渚の服が可愛いなーって思っただけだよ」

「っ……うう」


急に渚の顔が赤くなり顔を下に下げた。


「大丈夫か」

「はい……すこしうれしかっただけです…そ、蒼麻君も…その、、服、かっこいいですよ」


今の言葉をリピート再生したい

なぜ録音してなかったのだろう


「渚からそう言われて嬉しいよ」


そこからお腹いっぱいになるまで寿司をたくさん食べ最後のデザートを食していた。


「てか、今日のおれ、めっちゃダサかったね」

「スリーポイントですか?」

「うん…あそこは決めないといけないところだったのに、女子からの評価ガタ落ち確定だ」

「……蒼麻君でも落ち込むことあるんですね」

「そりゃあ、だれでも落ち込むでしょ、まぁ、できる限り誰にも見られたくないけど」

「私には見られてもいいんですか?」

「渚は別に何も言わないし慰めてくれるからかな」

「そ、そうですか…」

「あ、ごめん、デザートを食べているのに」

「いいですよ、蒼麻君もしっかり人間なんだって再確認できた日だったので」

「なんじゃそりゃ」


おれたちはたのしく寿司を食いながら雑談し家に帰った。

もしこの場に澪がいたらあんなことにはならなかったのに


渚サイド


「この音って消防車ですか?」

「うん……もしかしてこれ、渚のマンションじゃね」

「そんなわけないじゃないですか」


私はそう思いながら耳をすませた


「っは」


思いたくなかったですが、私のマンションから聞こえました。


「急ぐか」

「はい」

「失礼するよ

「え、きゃっ…蒼麻君」

「ごめん、こっちのほうが速いから、あと、目、閉じててね」

「わかりました」


私は蒼麻君にお姫様だっこされています、恥ずかしいですが、今はそんなことを言っている暇はないので体を預けました。

私の体に汗が流れはじめます


「……渚、目、開けていいよ」


私はなにもないように願いました。しかし、その言葉は神様には届いていなかったようです


「そん…な」


私は急に足の力が無くなり地面に座り込んでしまいました。

マンションが燃えているのです


中には妹の澪がいる——助けたい、でも炎の中に入ることはできない。理性ではわかっていても、心と脳がどうしても受け入れられない


「蒼麻君…澪が…澪が中にいるの…」


必死に言葉を紡ごうとするけど、声が恐くて君てうまく出ない。涙がだんだん目尻に溜まっていくのを感じます、視界がぼやける。蒼麻君の胸にしがみつた。


「どうしよう…どうしたらいいの…蒼麻君」


涙で頬が濡れ、呼吸が乱れる。何も出来ず、ただこの無力さに押しつぶされそうになる。


「嫌だ…嫌だよ、蒼麻君、澪を…澪を助けてよ…!」


涙で視界が滲み、何も見えなくなる蒼麻の腕の中で、渚は声が枯れるまで泣き続けた。


「ごめん、もう澪は助けられない」


炎は容赦なく燃え続け、私の心もその熱さで焼き尽くされそうだった。もう澪は…助けからない…。


私にとってこの日は人生でもう来ないでほしいぐらい最凶の日だと思いました







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