第4話爆弾処理と部活紹介

さぁ、どうしようか


今おれは、自分の口から出る言葉次第で今後の高専生活が終わる状況に立たされてしまった。


「急にどうしたの澪」


気まずい雰囲気を壊したのは渚だった


「なんとなく言っただけだけど?」

「おれと渚は付き合ってないよ、前に渚は好きな人がいるって言ってたからおれは応援をするだけだよ」

「へぇ~、そうなんだ」


澪は渚の方を見て何かをアイコンタクトで伝えたのだろうが、おれはそれどころではなく、自分の答えが最適解かをずっと考えていた。


そして、ご飯を食べ終わり澪はテレビでバラエティー番組を見ており、おれと渚は食器を洗っていた。


「にしても、あの爆弾発言は驚いたね」

「はい、…本当に心臓に悪いです」

「だね」


……気まずい


「蒼麻君は好きな人はいますか?」

「おれはいないね、渚の好きな人はどんな人なの?」


渚は照れくさそうに口を開いた。


「私の好きな人は、…私がたとえ、どんなにピンチになっても駆けつけてくれる、ヒーローみたいな人です」

「かっこいいね、その人」

「はい、…私もいつかその人の隣を歩けるように頑張ります」

「明確な目的があるのはいいよね、その目標をクリアできた時のかっこいい自分の姿を想像したら、絶対にクリアしたいよね」

「はい、…これからもよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


そして2週間が経ち、部活動紹介の日が来た。


           渚サイド

昼休みが終わり、楓ちゃんと一緒に体育館に来ました。


「渚は何に入るか予定あるの?」

「私は中学でもやっていた吹奏楽部に入りたいですね」

「マジ?」

「はい」

「困ったことがあったら相談してね、一応私も中学の頃から入ってるから、助けることはできるよ」

「因みに何の楽器をしていますか?」


もし、フルートだったら楓ちゃんでも争いはせざる終えないですね


「オーボエだよ」


楓ちゃんも同じことを思っいながら言ったのだろう

少し声の高さが低くなり緊張感が含まれていました。


「フルートです」

「オーボエじゃないんだ、良かった~争うことがなくて良かった」

「そうですね」

「吹部には確定で入る感じ?」

「はい」

「じゃあ、これからもよろしく…じゃあ、この話は一旦終わらせて、男バスのマネージャーはしなくてもいいの?」


私はその言葉を聞いた瞬間心臓の鼓動が大きくなるように感じました。


「候補としてはあります」

「幼馴染は間近で見たいのかな?」

「それもありますけど、単純に少しだけバスケに興味があるからです」

「じゃあさ、一緒に入らない?私もしたいんだよね」

「なんでですか?」

「単純明快だよ」


楓ちゃんは一息つき、ニヤリと笑いながら言った。


「好きな人が男バスにいるから」


私はその言葉を聞いたせいで冷や汗が止まらなくなった。

もし、楓ちゃんが蒼麻君のことが好きだったらどうしよう

「あ~、ごめん、蒼麻君じゃないから安心して」


よかった~


……うん?

今なんていいました?蒼麻君じゃないから安心して…もしかして好きな事バレてる?


「なんでですか?」

「いやいや、…渚って蒼麻君のことが好きでしょ」


お母さん、お父さん、奏、私は楽しく、平穏に高専生活を送ることはできなくなりました。


「違いますけど」

「バレバレだって~、大丈夫皆には言わないから」

「言わないでくださいよ」

「認めちゃったし…まぁ、がんば」

「はい


そして部活動紹介が始まり、バスケ部の番が来た

「行くぞぉ」

「「「「おぉー」」」」

「っ、びっくりしたー」

体育館の中央にキャプテンと副キャプテンらしい人が立ち、体育館横についているドアから気合をいれる声を発しながらバスケ部員が並んできました

「こんにちは、第捌魔法高専バスケットボール部のキャプテン下野涼太しものりょうたと」

「副キャプテンの十倉誠とくらまことです」

「僕たちバスケ部は、毎日厳しい練習を通じて、チームワークと個人技を磨いています。まずは基本的なランニングやドリブル練習、ボールハンドリング鍛え、次にシュート練習で精度を高めます。もちろん、1対1や試合形式も欠かせません!」


キャプテンが喋っている間、後ろでは部員が1対1をしています

私は蒼麻君ばっかり見ています


          蒼麻サイド

バスケ部の部活動紹介が終わりを迎えようとした。


「それでは、最後に、唐獅子蒼麻君のスリーポイントを御覧ください」


おれは涼太さんからボールをもらいスリーポイントを打った。


皆ボールを見ていた。

シューター以外の人はどっちなんだろうと見ているが、シュートを打ったおれは確信していた。


終わった。

しかも外し方が面白くない、エアボー、終わったなおれのバスケ人生

おれの手から離れたボールはリングにすら当たらず、ネットにもかすらず、紹介の時間が終わりを告げるブザー音とともにボールが地面に付く音が聞こえる

「皆さん入ってくださいね」


足早におれたちは体育館を出た。


「「「「はははっ」」」」


おれ以外のバスケ部員は腹を抱えて、声高に笑い出した。


「まじでハズい」


           渚サイド

私はあまりいい気味ではなかった

なぜなら、自分の好きな人の失敗を笑われるのはたとえどんな人でも嫌でしょう


「はぁあー」

「そんなに機嫌落とすなって」

「楓、準備しに行こう、先輩たち皆行ったよ」

「おっけー、すぐ行く、最後に我ら吹奏楽部が美しく幕を下ろしてあげるから、それで機嫌直してね」

「わかりました」


私はその後の部活動紹介を適当に聞き、最後の吹部に期待をしていました。


そして、最後の吹部の番が来ました。


「皆さんこんにちは、部活動紹介のトリを飾るのは私達吹奏楽部です」


「おー」

「すごいね」

「あいつ上手くね」

「それな」


部長らしき人が喋り始めた瞬間、後ろで有名なJ - POPやK‐POP、ボカロなどの曲が演奏されており聞いている人皆、感嘆の声を流していました。

しかし、私はフルートの人達を観察していました。

結論

フルートの座は取れそう

正直に言ます、多分私のほうが上手いと思う、1人を除けば

その1人は他のフルート奏者と雰囲気がまず違った。それに、優雅でした。


低速地帯のリズムの切り替え完璧でした。音ゲーならばパーフェクトを取れていたでしょう、多分、第捌魔法高専吹奏楽部の中で群を抜いて抜群なリズム感を持っているはずです。


そして全部の部活動紹介が終わり

片づけをしていた。


「どうだった?私達の演奏は」

「すごかったです…1つ聞いていいですか」

「なに」

「フルートの中に1人だけ群を抜いて上手い人がいましたが、あの人はだれですか」

「あ~、星野 葵ほしのあおさんね、渚もフルートだったよね」

「はい」

「だったら、あの人のレベチ度合いわかるでしょ…あの人はまさに天才だよ、友達のフルートの子は、葵さんは確定だから、後3人の座を頑張って取るんだよって言ってた」

「なるほど、で、そこに私も入りますから、後2人ですね」

「自身がたくさんありますな」

「はい、蒼麻君に見てもらうために沢山練習しましたもん」

「でも、蒼麻君は渚の好意には気づかないと」

「はい」

「何かイベントとかあったの?」

「ご飯を作ってあげて、一緒に食べました。」

「いいね…家も隣だっけ」

「なんで知ってるんですか」

「え、そうなの?」

「…っあ…」

「墓穴ほっちゃったね…大丈夫、誰にも言わないから」

「お願いします」

「蒼麻君って1人暮らしだよねたしか」

「はい、一軒家に住んでますね」


あ…絶対にいらなかった。


「1人で一軒家なの?」


誰でも疑問に思いますよね、ただの高校生が1人暮らしで一軒家って、

やばいどう答えよう、流石にもう両親がいないなんて言えないしどうしょうそう

私が困っていたら


「何してんの」


そこには蒼麻君がいました。


蒼麻サイド


詰んだかなおれの人生

如月がどんな人かもあんまり解らないし、渚の答え方次第でおれの学園生活が終わる、渚がなんて言うかもわからないしとりあえず会話を割って入るか


「なにしてんの」

「っあ蒼麻君」

「蒼麻君ってなんで一軒家に一人暮らししてるの?」


だよね~やっぱり気になるもんな


「今、両親たちは仕事の都合でいないんだよ」


これが最適解だろう


「そうなんだ」


とりあえず話題を変えよう


「二人は何の部活に入るの」

「私は吹部と男バスのマネージャーをする予定です」

「そうなんだ、如月さんは吹部のまま?」

「いや、私も渚と同じように男バスのマネージャーするよ」


マジか

渚は嬉しいけど、如月さんもか…人が増えるのは嬉しいから立ち回りに気をつければ怖くないだろう


「マジ?2人も入るのは助かるよ、絶対に入ってね」


おれは渚の手を取りながら言い二人から離れた。

渚は顔が赤くなっていたがまぁなんとかなるでしょ


そしておれは男バスの部室に行き1年の部屋に行き皆に告げた。


「2人マネージャーとして入るぞ」


それを聞いた男たちはお祭り騒ぎ状態になった。

男とは単純な生き物である















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