第5話

「なあ風牙起きてくれ。いや起きろ!」


俺はまだ寝ていた風牙を叩き起す。


「いて!そんな起こし方ねえよぉ〜」


「外に何が見える?」


「は?」


外を見た風牙は呆然としている。


「なかなかパンチの効いた夢だな。んじゃおやすみ」


クッソこいつと同じ感想か。もちろん二度寝なんてものはさせるはずもなく、布団に向かう風牙を引っ張りあげた。


「俺は姉さんを見に行くから外見といてくれ」


「いや外見たところでどーするん?え?無視まじ?」





外の光景を見た時嫌な予感がした。もしかしたらもう姉さんは.........




「姉さん!!」



「おはよ!めずらしく今日は私が起こさないでも起きれたね!」


いつもと変わらぬ姉がいた。もしかしたら姉さんは外のことを知らないのかもしれない。


「姉さん!外見た!?」


「見てないけど?あと変なニュースがやってるよ」




ニュース?テレビを確認すると怪物について報道されていた。




「現在日本各地で未確認生物を発見致しました。

北海道、青森、秋田.........」


俺たちが住んでるところだけじゃなかったんだ。

他の地域の情報なんてどうでもいい。逃げないといや逃げ場なんてあるのか?他の地域も怪物ばかりってことはもはや人類は.........


「優!どうしたの?」


「とりあえず外を見てきてくれ」


「何よ急に」


「いいから早く!!」


「もーはいはい。思春期なのかなぁ?」



クソ!ありえないものを見たからなのかネガティブな思考しかできない。生きるためには食料が必要だ。近所のスーパーか?コンビニか?いやすぐに行動にはうつせない。そうだ!ほかの人たち!連絡を取る手段なんて沢山ある!


「きゃー!!!!」


姉さんも気づいたみたいだ。



「おい優!やべえぞ!今の声で怪物が反応した!多分何匹か来るぞ!!」


クソッ!そこまでよめてなかった!


「窓を閉めてカーテンを閉めてくれ!俺は玄関を確認する!!」




ードンドンドン


玄関のドアを叩く音が聞こえた。確認すると緑色の体色に醜い顔をしている小柄な怪物が3匹いた。

静かに物音を立てずやり過ごすしかない。バレたら多分殺される。


自分の心臓の音がやけに大きく聞こえる。


ーゴン!!


一際大きい音が鳴った。


「キャッ!」


普段の朝なら気にならない音量。だがその音は怪物たちに喜びと愉悦を与えた



「ゲギャギャギャギャギャ!」


「ギャッギャ!」


「ギャァー!」


バレた。これはもうダメだ。殺すしかない。



「ふぅーふぅー」


大きく呼吸して自分を落ち着かせる。やるしかない!やるしかない!俺は台所に包丁を取りに行き、玄関でまちかまえた。


「待て優 俺も付き合うぜ」


そこには目を輝かせた風牙がいた。


「頼む」



「俺がせーので扉を開ける。風牙は飛び込んできた1匹目を殺してくれ。俺は次に入ってきたやつを最後に入ってきたやつは2人で殺す。いいな?」



「どんとこいや。喧嘩は得意だぜ」



これは喧嘩じゃねえよといういつものツッコミも出来ないくらい俺は緊張していた。





「いくぞ。せーのっ!!」















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