第2話

太陽が爛々と照りつける中冷房が効いてる教室で授業を受けられるのは最高だな



【おい優!今日小テストあるらしいぞ】



【いや昨日先生が言ってたじゃん】



【はぁ!?まじかよ!!】



【いやお前小テストがあったとしてもどうせ寝てるんだから関係ないだろ】



【まぁな!ははっ!】



こいつは高校に入って初めて仲良くなった友達。初めてっていうかこの一条風牙以外友達がいない。



【てか今日クソ暑くね?なんなんこの天気】


【ほんとだよ もはや異常気象だろ

あとお前ピアス外しとけよまた言われんぞ】


風牙は両耳に金のリング髪型フェードのチンピラっぽい姿をしている。そのせいでちょくちょく先生に怒られている。


【いーや!ピアスを外すくらいなら死を選ぶね!】



【お前にとってピアスってどんな存在なのそれ】



教室がガヤガヤしてる中先生が入ってきた。



【よーし朝礼始めるぞー全員席に座れー】



【ん?おい一条!ピアスを外せ!何度言ったらわかるんだお前は!】


【うるせえ!俺はピアス外すくらいなら死んだ方がマシだ!】


【お前! はぁもういい朝礼が終わったら職員室に来い】


先生と風牙はこんな感じのやり取りを毎日してる。

ある日は制服の着方、ある日は風牙の顔の怪我の事など。

風牙は放課後チンピラをとっ捕まえて喧嘩してるらしい。これじゃ完全にどっちもチンピラだよなと俺は思う。


朝礼が終わり1時間目の授業の準備をしようとした時風牙がこっちに来た。ん?てかみんな外見てね?




【クソ晴れてたのに急に降ってきたなぁこれがゲリラ豪雨かやべーな】


そう言われて俺も外を見る



さっきまでの太陽が嘘かのように雨が降っている。

あんなに爛々と輝いていた太陽が真っ黒な雲におおわれて見えなくなっている。



だがこの雨はどこかおかしかった。





誰かがふと呟いた。


【なんか雨黒くない?】





教室の窓についた雨が墨汁のように真っ黒だったのだ。


【まじで異常気象じゃん】



【優!あの雨浴びに行こうぜ!】


【なんでだよ。こんな雨浴びて制服汚したら姉さんに怒られる】



【俺が予備の制服持ってっから貸してやるよ!

こんな黒雨二度とないぜ!浴びよう!てか浴びて帰ろう!】



【そっちが本音だろ。俺はお前みたいな不良生徒と違ってサボったりしねえんだよ】



【マジで一生のお願い!帰ろう!な!】



【雨浴びようじゃなくなってるじゃんか。もう取り繕わずに帰ろうって言ってるじゃん】




んー普段サボったりもせずちゃんと授業受けてるしなぁ今日ぐらいサボったっていいか



【今日ぐらいサボったってバチ当たんねえよ頼むよ優!】


【わかったよ俺も黒い雨気になるし浴びながら帰ろ】



【まじかよ! どんだけ俺が誘ってもサボんなかったやつが雨につられてサボるんか!?俺は雨より下なのか!?】



【あーうるせぇうるせぇいいから先生来る前に早く行こ】


【そだな】



こうして俺は高校入って初めてのサボりをすることになった。








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