第2話 ポリコレに配慮しない怪人襲来のおはなし
むかしむかし、とある国のとある都市(えんじょうがこわいから、名前はいわないでおくね)に、たいそう頭のよろしい異星人たちが、大きな宇宙船(ふね)にのって、どんぶらこ、どんぶらこと突如ぼくたちの地球(ほし)に襲来(や)ってきました。
その異星人たちはその都市の政治中枢部(しぎかいみたいなところだよ!)に来訪し、こう要求しました。
「がっはっはっ、この惑星(ホシ)は俺達が占領する。てめぇら地球人(サル)のうち10億人くらいは労働力として生かしてやるから、降伏するなら今のうちだぞ!ひゃはははは!」
まったくもう、むかしむかしコカ・コーラ(しゅわしゅわした、くろくてあまいのみものだよ!)のCMのモチーフになった、タマゴを勃(た)たせるのが得意な冒険者だってもう少しポリコレ(ひとのこころをおもいやることだよ)を意識した交渉を行うものだろうに、もうめちゃくちゃです。
当時その場に居合わせた大人達はかおをまっかにしておこり、この怪人達をどなりつけました(この時代の大人達は、こわいものしらずですね!)。
「なんだこの慇懃無礼(しつれいなことだよ)な仮装軍団(ぎんちゃんがさいてんしてたあれだよ)は!警備員!きちんと仕事をしろ!」
呼びつけられた警備員はいそいそと押し寄せてこの怪人たちを取り抑えようとしましたが、当然ぴくりとも動きません。
「がっはっはっ!俺達がお前たちの力を知らないと思っているのか!貴様らの生態データなど何もかもお見通しだ!個体としてではなく、種としてもお前たちは我々の数世紀前(すうひゃくねんまえ)にいる!いまからそのちからをみせてやる!」
ずざざざざ!
突如として議会はまっくらになり、まっさらな天井に、沢山の文章とグラフが映し出されました。
そう、怪人達は事前にプロジェクターを用意しており、パワポを用いたプレゼンテーションを企てていたのです。怪人達のプレゼンが始まりました。
ー「民生書房・よくわかるかいじんしゅうらい」より抜粋
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます