第4話

 あれは、今年の初めだった。


『それにしても、横笛大きくなったなー。昔はちっちゃい小鳥だったのによ』

『いつの話よ。‥‥‥牽牛は全然変わんないね』

『ん? まあな。寿命が違うから。でも本当に、綺麗になったよな』

 そう言って笑いかけてくれた牽牛の顔は、本当にうれしそうだった。

 でも、それと同時にこちらを見てくれないことをわかっていた。

『ばぁか、うれしくないよ』

 私はその時、哀しそうに笑っていたと思う。

 その時、私は心に決めたんだ。

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