第6話 昔の友達




「つ、司くん?」


「えっ!?な、なに?どうした?」


「いや、なんか疲れてるみたいだけど大丈夫?って聞いたんだけど…」


「あ、あぁね!全然大丈夫だよ、ちょっとランニングしてて」


ㅤやはり女性と話すのはまだ緊張する…くそ…昔の自分を殴ってやりたい。

ㅤそうしてこの先の会話をどうするべきかと考えていると「ワン!」と何かが吠えた。


「え?」


「ワンワン!」


ㅤ犬だ、犬がいた、可愛い。

ㅤ首の当たりを確認してみるとリードがついている。そしてリードが続くほうを確認すると目線の先には白井さんがいた。

ㅤどうやら白井さんの飼い犬らしい。

ㅤそんなことを考えていると犬が飛びかかってきた。

「うわ!?なになになに!?」


「こ、こら!ダメでしょシバ!」


ㅤ白井さんが犬を引き剥がしてくれる。

ㅤだが時すでに遅し、俺の顔面は既に犬にヨダレでベトベト、なんて日だ。


「司くんごめん!大丈夫だった?」


「全然大丈夫だよ、顔舐められただけだし」


「そ、そっか、ほんとにごめんね」


「…………」


ㅤ会話が途切れる、なんとなく気まずい空気が漂っている。

ㅤ会話が続かないなぁ…まぁいいか、特に話すこともないしそろそろお暇させて頂こう。


ㅤなにも言わずにどっか行くのも印象が悪いだろうと思い、白井さんに話しかける。


「じゃあ白井さん、俺そろそろいくね、また学校で」


「あ…うん…」


ㅤそして再び走り出そうとすると声をかけられた。


「ちょ、ちょっと待って!」


「ど、どうした?」


「…………いの?」


「ごめん、なんて?」


「ど、どうして名前で呼んでくれないの!」


「え?」


ㅤいきなりそんなことを言われた。どういうこと?

ㅤ昔の記憶をたどってみれば確かに仲良かった時は名前で呼んでいた。

ㅤだがそれは昔の話だ、今と昔じゃ白井さんと俺の関係も全然違うものになってしまった。


ㅤまぁそれも俺のせいと言えばそうなんだが…


「えっと…急にどうしたの?」


「だ、だって…昔は奏って読んでくれてたじゃん…」


「た、たしかに昔はそう呼べてたかもしれないけどさ、それって小学生の頃の話だよね?…もう俺たち高校生だし、サッカー辞めてからほとんど絡みもなかった気がするんだけど…」


「そ、そうだけど!でも名前で呼んで欲しいの…」


「な、なんで?正直俺たちって友達と呼べるかも怪しいレベルの関係性じゃない?…」


「じゃあ友達になって!」


「お、おぉ…」


ㅤい、勢いがすごい…こんな真正面から言われれば断る方が難しいだろう。

ㅤまぁ特に断る必要も無いし全然いいんだが。


「じゃ、じゃあ…友達なるか?」


「いいの!?」


「え…そっちが言ってきたんだよね?」


「そ、そうだけど、なってくれると思ってなくて…」


ㅤ俺ってそんなに気の難しそうなやつに見えているのだろうか…なんかちょっとヘコむ…


「特に断る理由もないだろ」


「じゃ、じゃあLEINの交換もしてくれたり?…」


「まぁ…それくらいなら全然」


「ほんと!?やった♪」


ㅤそんなこんなで俺たちはLEINを交換した。

ㅤ女子の連絡先ゲット!やったぜ!


「よし、じゃあ今度こそ俺行くわ」


「うん!ごめんね引き止めちゃって」


「全然大丈夫、じゃあまた明日学校で」


「また明日!」


ㅤそうして俺は家に帰宅した。

ㅤイレギュラーはあったがちゃんと走りきれたな!まぁこれから地獄の筋トレが待ってるんだが…




──────────────────────

ㅤ白井奏side


ㅤ私には好きな男の子がいた。

ㅤまぁいたと言っても小学三年生の頃だからだいぶ昔のことだけど…

ㅤ当時は小学生だったしできることも少なかったけど、積極的にアピールしてたりしてた。

ㅤまぁ付き合えなかったんですけどね!


ㅤちなみにもう好きじゃないのかって話だけど、正直よくわかんない。

ㅤ私は司くんがサッカーしてるとこが大好きだった。

ㅤあ、司くんってのはその男の子の名前ね、柊 司。

ㅤ司くんがサッカーしてる姿はほんとにかっこよかった。周りの子に比べて実力も一歩先をいってたと思う。まぁ当の本人はサッカーがあんまり好きじゃなかったみたいだけど…


ㅤそんなある日急に司くんがサッカーを辞めちゃったんだよね…思わず私もなんで辞めたの?って聞きに行ったもん。

ㅤそしたらなんて言ったと思う?"ゲームの方が楽しいから!"だってさ。

ㅤあの時の私は子供だったからなんでゲームなんかのために?とか思っちゃってた。

ㅤ良く考えれば自分が楽しくないのにやってたってなんの意味もないのにね。


ㅤでもあの時の私はそれが理解できなくて司くんと喧嘩みたいになっちゃって…一応私から謝ってはいるんだけど、司くんがサッカーやめたのもあってそこからあんまり喋らなくなっちゃったんだよね…放課後も直ぐに家に帰っちゃうし。

ㅤそしたら気づけば高校生になってました…。


ㅤだからさ、ほんとにびっくりしたんだ、今日学校で司くんがサッカー部に入るって言ってたことに。

ㅤサッカーを面白くないって言ってやめた司くんがまた始めるって言い出したんだよ?しかも全国目指すとか言ってたし!

ㅤその言葉がどこまで本気なのかはわからないけど、また司くんがサッカーやってるとこを見れるんだって思ったら嬉しくなっちゃって…つい話しかけちゃったよね…司くんも驚いてたな…


ㅤでもなにはともあれ、これで私もやりたいことが決まった。


「私はサッカー部のマネージャーになる!」


ㅤまだ私が司くんのことを好きなのかはわからないけど…いや…正直好きなのかもしれない…

ㅤさっき名前で呼んでなんて言っちゃったし…

ㅤま、まぁ!それを確かめるためにもサッカー部のマネージャーになろう。司くんのプレーも見たいし!


「あぁ…これからの毎日が楽しみだなー!」









──────────────────────


こんばんは。ただの思いつきで始めたせいで全然話がまとまりません…もうちょっと考えてやるべきでした…

更新も馬鹿みたいに遅くて…ほんとすみません。

これからもぼちぼち更新していくのでよかったら見てください。

星もお願いします!







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