第7話 サッカー部





「か、身体中が痛てぇ…」


 身体中が筋肉痛だ、まぁこうなることはわかってた。

 今までこの体は全く運動をしてこなかったのだから当たり前だ。


「はぁ…しばらくはこれが続くだろうな…」


 これからのことを想像すると憂鬱な気分になってくるが、これもサッカーのためだと自分に言い聞かせ学校に行く準備を進める。


 たしか今日から体験入部が始まるはずなので、待望のサッカーができる。楽しみだ。


「よし、いくか」


 ──────────────────────


 無事に部活動紹介やその他もろもろが終わり、いまから体験入部の時間になった。

 ㅤ

「じゃあいくか」


「そうだな」


 さっそくサッカー部に行こうとするとクラスメイトの男士から話しかけられる。


「ちょっといいかな」


「ん?なんだ?」


 はて…誰だったか…たしか…早瀬涼ハヤセリョウ…だったか?


「一応自己紹介し直した方がいいかな?早瀬涼って言います。気軽に涼って呼んでね」


「お、おう。で、何の用だ?」


「いまからサッカー部見学しに行くんだよね?」


「あぁ、そうだけど」


「僕も一緒に行っていいかな?」


「おー!なに?涼もサッカー部はいんのか!」


 あれ?明那と早瀬は友達なのか?…

 早い…早いよ…俺なんかまだ誰も友達できてないのに…


「なに?2人共知り合いだっけ?」


「いやクラスメイトじゃん?」


 こいつがコミュ強だってことを忘れていた。

 クラスメイトなら全員友達だろスタイルなんだよなこいつ。


「で、一緒に行っていいかい?」


「あ、あぁ、もちろん」


「いこーぜいこーぜ!」


ㅤさぁ今度こそと思ったらまた声をかけられる。

ㅤなんだ?神は俺にサッカーをやらせないつもりか?


「ね、ねぇ!私も一緒に行っていいかな?」


ㅤ白井…いや、奏さんだ。

ㅤあの後LEINで呼び方についての話し合いをし、奏さん呼びで何とか妥協してもらえた。


「あれ?奏さんもサッカー部入るの?」


「あ、えっとね、マネージャーになれないかなぁって」


「へー!そうなんだ!なんか懐かしいなこの感じ!」


「そうだな」


ㅤ昔は明那と奏さんと一緒にいることが多かった。

ㅤ明菜とは一緒にサッカーをやっていたし、奏さんもそこに混じりよく遊んでいた。


「あれ?なんか僕邪魔な感じ?」


「そ、そんなことないよ!」


「悪いな涼、この3人が集まるの久しぶりだったからつい」


「あ、全然いいんだけどね、ただそろそろ行かないとかなって」


ㅤその通り!俺も早く行きたかったので『早く行こうぜ』と三人に声をかけ、グラウンドに足を運んだ。



──────────────────────



ㅤそうしてグラウンドに到着すると、さっそくアップをしているサッカー部らしき人達が目に入ったので声をかけに行く。


「すみません!ここってサッカー部の集まりで大丈夫ですかね?」


ㅤ一応パッと見でキャプテンっぽい人に声をかける。

ㅤそうするとその人は振り返り、こちらに歩いてくる。


「サッカー部であってるよ。もしかして君たち入部希望者?」


「はい!そうです!」


「ほんと!?いいねぇ、今年は早速4人も…あれ?そこの女の子はマネージャー志望って感じかな?」


「あ、はい!そうです!」


「お!こんな可愛い子がマネージャーになってくれるなんて嬉しいね!」


「か、可愛いだなんてそんな…」


ㅤこの高校はサッカーが特段強い訳でもない、なんなら弱小の部類に入るだろう。

ㅤだからか入部希望だということを伝えるとたいそう喜んでくれているように見えた。


ㅤそんな感じで多少の雑談をかわすと自然に、自己紹介のフェーズに入る。


「じゃあまずは俺から、佐久間亮吾サクマリョウゴと言います!一応このサッカー部のキャプテンやってるよ!サッカー歴は今年で10年目、ポジションはMFミッドフィルダー


「じゃあ次は俺で!新堂明那って言います!サッカー歴は今年で8年目です!ポジションは自分もMFミッドフィルダーです!」


「じゃあ次は僕でいいかな?早瀬涼といいます、サッカー歴は今年で4年目、ポジションはCFセンターフォワードです」


「わ、私は白井奏って言います!サッカー自体をやった事はあんまりないんですけど…頑張って皆さんをサポートして行きたいと思ってるのでよろしくお願いします!」


ㅤうっ…みんな歴が長い…奏さんを除けばこの中で俺だけサッカー歴1年、しかも6年のブランク…い、言いづらい…


「そこの君は?」


「あ、す、すみません!柊司っていいます!サ、サッカー歴は小学三年の頃にやってた1年だけです…ポジションは一応WGウイングやりたいなぁって…思ってます」


「おっけーおっけー!とりあえず把握出来た!じゃあこんなことで突っ立ってるのもあれだし、よかったら少し練習参加する?」


「え!良いんですか!」


「もちろんもちろん!じゃあさ、あそこの部室に余ってる練習着とか入ってるから、着替えてきてよ!…あ!スパイクとか持ってきてたりする?」


ㅤ俺はもちろん持ってきている、母さんに無理を言って買って貰ったのだ。

ㅤ明那達の方を確認してみると明那たちもちゃんと持ってきていたようだ。


「よし!持ってきてるみたいだし、じゃあ着替えてきな!」


「「「「はい!」」」」


──────────────────────


ㅤ部室で色々と準備していると「なぁ」と明那から声をかけられる。


「なんだ?」


「なんていうか…俺楽しみだよ、お前と久しぶりにサッカーすんの」


「ははっ!俺もだよ!サッカーやりたくてたまらなかったんだ」


「…お前…入学式の時から人が変わったようにサッカーやりたいって言い出すようになったよな…なんかあったのか?」


「ギクッ!」


ㅤ…さすがの明那でも勘づいてきているか…

ㅤどう考えてもおかしいもんな、ずっとやらないやらない言ってたヤツが急に全国目指すぞ!とか言ってくるの。


「ま、まぁ、高校入学っていういいタイミングだったから心機一転何かをやってみようと思ったわけよ!」


「ふーん…まぁ俺は司とサッカーできるならなんでもいいけどよ」


「あ、あはは!俺も明那とサッカーすんの楽しみだよ!」


ㅤふぅ…なんとか乗り切れたようだ。

ㅤ思わぬイレギュラーはあったが、ついに念願のサッカーができる!まだただの体験だし、参加させてもらえるのは簡単なパス回しとかかもしれないが、それでもサッカーをするのは楽しみだ。




あと書き


おはようこざいます、れいんです。

まずは星ありがとうございます!初めての星は死ぬほど嬉しかったです!!モチベになります!


さて次回からついにサッカー始めます!やっとですよ!ここまでが長かったです…

それと、この通っている高校の名前をお伝えするのを忘れていたのでここで紹介しますね!

鳴潮高校という高校です!特に由来とかはないです適当に考えました。


こんなところですかね。次回からも頑張って更新するのでよかったらフォローや星、応援コメントしてくれると嬉しいです〜!また次の話で会いましょう!











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