第4話 二度目の高校生活



ㅤそうして俺たちは無事に入学式を終えた。今は教室に戻り軽い自己紹介タイムの時間、ちなみに明菜とクラスは同じだ。


ㅤそうこうしてる間に俺の自己紹介の番がやってくる。とりあえず無難に行こう、前回もそうだった。


「えーと、柊 司です、得意なことは運動、部活はサッカー部に入る予定です。1年間よろしくお願いします」


ㅤちょっと固すぎただろうか...なんとも言えない拍手が周りから起こる。

ㅤまぁいい、別に俺は人気者になりたいわけではない。


「初めましてー!進藤 明那です!好きなことはサッカー!部活はもちろんサッカー部に入ります!そこに居る司と全国行くんでよろしく!」


ㅤ俺が少し考え事をしてる間に明那の自己紹介が始まっていた。

ㅤあの野郎悪目立ちすることいいやがって!

ㅤ正直に言ってこの高校のサッカー部は強くない。サッカーをやるために入った高校ではないのだから当たり前だが...出来ることなら中学時代からやり直させて欲しかったものだ。


ㅤサッカー強豪校でもないのに全国に行くなど言ってるからか、周りからそれ本気で言ってんの的な声が聞こえる。


「いやまじで行くから!俺と司なら絶対行けるね!」


ㅤもちろん俺も最初から全国をめざし本気でやるつもりだったが、親友にこんなことを言われてしまえば尚更全国まで行かないわけにはいかないだろう。


「頑張ろうぜ、俺とお前のコンビでよ」


「おうよ!」


ㅤその後は特に問題もなく自己紹介が進み、今日は授業がないため帰宅の準備する。


ㅤそうしてさぁ帰ろうと思ったところで1人の女子生徒に話しかけられる。


「ねぇ、司くんサッカーやるってほんと?」

「え?」


ㅤいきなり話しかけられたものだから間抜けな声を出してしまった…恥ずかしい…。


ㅤ今俺に話しかけてきた女子は白井奏シライカナデ

ㅤ俺がまだサッカーをやっていた小学生の頃に仲の良かった女子だ。

ㅤ前回の人生ではそれ以来関わりはなかったはずだ…もしかしたらサッカーを再び始めることでなにか変化が起きたのかもしれない。


「あれ?聞こえてる?」


「あぁごめんごめん、聞こえてるよ」


「よかったよかった、それでサッカーまたやるの?」


「あぁ…やる予定だけどそれがどうかした?」


「いや別に今までそんな素振り見せてなかったからちょっと気になっただけだよ!」


ㅤそういうことか…まぁ最近までずっとゲームやってたやつが急にサッカー復帰します、しかも全国目指しますとか言ってたらそりゃ気になるよな。


「あーね、まぁ…俺も色々思うことがあったんだよ」


「そうなんだ!でも司くんがまたサッカー始めるの嬉しいな!」


「え?」


「私司くんがサッカーするところ見るの好きだったから…」


「そうか…ありがとう!今回はガチで上目指すからさ、試合とか良かったら見に来てくれよ」


「うん!もちろん!」


「じゃあ、俺そろそろ帰るな」


「あ!ごめんね!引き止めちゃって!」


「全然大丈夫、じゃあまた明日」


「うん!また明日!」


ㅤそうして白井と別れた俺だったが、普通に会話してるように見えて内心心臓バクバクだった…

ㅤなにせ白井と話すのも久しぶりだったし、前世では高校卒業以来女子と話すことはほぼほぼ無くなっていた。


「緊張した…でも普通に話せてたよな…?」


ㅤそんなことを言っているとどこからか明菜が現れ「一緒に帰ろうぜ」と行ってきたのでそのまま二人で帰路に着く。

ㅤ帰ったらさっそくトレーニングを開始しよう。そう決めて俺は家に帰った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る