第2話 目覚め、そして始まり
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「あれ?…生きてる?…」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ次に目覚めると俺は意外とピンピンしていた。
ㅤもうこのまま二度と目覚めることは無いと思っていたのだが、何とか助かったみたいだ。
「ん?でもここ病院じゃなくないか?」
そう思い周りをよく見てみると思い出す。
「ここ実家か?…」
ㅤ俺は何故か実家にいた。
ㅤおかしい…もし倒れて誰かが救急車を読んでくれたのなら病院にいるはずだ。
ㅤそれに俺が倒れた場所と実家では場所が離れすぎている。
ㅤ俺は社会人になるタイミングで上京し、一人暮らしを始めたのだ。
「何が起こってるんだ?」
ㅤまぁいい、まったく意味がわからないが助かったのならそれにそれに超したことはないだろう。
ㅤとりあえず誰かいないのか確認しに1階へ降りようとした所でちょうどよく母さんに呼ばれる。
「司ーー!起きなくて大丈夫なのー!」
ㅤおいおい過労で倒れた息子にいう最初の言葉がそれかよ!しかもめっちゃ久しぶりに会うのに。
ㅤそう思いながら俺は下に降りる。
「母さん久しぶり。ちょっと聞きたいんだけど俺ってどうなったの?」
「……?あんた何言ってんの?」
ㅤん?どういうことだ?何かおかしなこと言ったか?
ㅤいやそんなことはないはずだ。
「久しぶりって…毎日会ってるじゃない、一緒に暮らしてるんだから」
「え?」
ㅤはい?一緒に暮らしてる?そんなわけないだろう。
ㅤ俺は一人暮らしをしているはずだ。
ㅤもしかして一人暮らししていると思ってただけで実は一人暮らし出来てなかったとか?…
ㅤいやんなわけねぇだろおかしいよどう考えても
「あんた大丈夫?頭でも打ったの?今日入学式なんだからしっかりしてよね!」
「入…学式?」
「そうよ!なにあんたまさか忘れてたの!?」
ㅤまてまてまてまてまて。一体どういうことだ?
今日が入学式?
「入学式って…高校の?…」
「そうよ?あんた…ほんとに大丈夫なの?…」
ㅤガチめに心配されてしまった。まるで俺が変なやつみたいじゃないか!
ㅤそんなことよりだ。この状況、やはり何かがおかしい。
ㅤさっきからひたすら考えてはいるがひとつの結論にしかたどり着かない。
「ごめんごめん、大丈夫だよ母さん」
「ところでひとつ聞きたいことがあるんだけどいい?」
「なによ」
ㅤこれはもしかするのかもしれない。
ㅤひとつの願望に近いそれを確かめるために俺は口を開く。
「今日って何年の何月何日だっけ?」
「はぁ?…あんたほんとに大丈夫なの?病院行く?」
「大丈夫!大丈夫だから!はやく教えて!」
「わ、わかったわよ…2014年の4月7日でしょ?」
「ッ!!!!」
ㅤやっぱりだ!俺がたどり着いた結論は間違っちゃ居ない!
ㅤ過去に戻っているんだ!
ㅤこれはチャンスだ…!
ㅤ前の俺にはできなかったことをやれる!
ㅤ今度こそサッカーをやりきってやる!
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