やり直せるのならサッカーを

れいん

第1話 人生の転機

『決めたァァァァァァア!逆転!逆転!』

『日本代表!ついに勝ち越したぁぁぁぁあ!』


「まじかよ…相手はあのスペインだぞすげぇな…」


「はぁ…俺もサッカー続けてればよかったなぁ…大人になってこんなにサッカーにハマるなんて…」


 俺の名前は柊司ヒイラギツカサ

 どこにでもいるサラリーマンだ。特に何も特別なことは無い、趣味もこのサッカーぐらいだ。


「なんでこうなったんだろうなぁ…」


 俺はほんとに小さい頃サッカーをやっていたんだが辞めてしまった。

 あのころの俺はサッカーなんかよりゲームがやりたい!なんて言ってたっけか…

 そしてゲーム三昧になった結果がこれだ。

 ろくに勉強もせずゲームばっかやっていい会社に入れる訳もなく、行き着いた先は底辺サラリーマン。


「人生まじでやり直してぇ…」


「……はぁ…仕事行くか…」


 そして今日もやりたくもない仕事をやりに会社に行く。

 きっとこんな毎日が永遠に続くんだろう…そう思っていた。そう、あの事件が起きるまでは…


──────────────────────


 それが起きたのはいつも通り会社に行くために家を出て駅まで歩いている途中だった。

 そこで周りが妙に騒がしいことに気づく。


「なんだ?…」


 なんとなく気になって騒がしい方に近づくと、そこには包丁を持ちながら周りを威嚇している男の姿があった。


「お、お前ら!近寄るな!さ、刺すぞぉぉぉ!」


「うお…なんだあれ…やばいな怖すぎ…さっさと仕事行こ」


 そうしてこの場所から離れようとするが俺がここに来た時よりさらに人は増えており、中々この場所から動けない。


「ちょ!電車!電車間に合わなくなるから!まじで!」


 そんな事を言っていると急に人が離れ始めた。

 みんなが急に離れるもんだから俺は体制を崩してしまう。

 何が起きたんだ?と振り返ろうとしたその時、後ろからものすごい衝撃を感じた。


「ッ!?」


 なんだこの衝撃は…!?

 思わずコンクリートとキスしてしまうぐらいには大きな衝撃だった。

 俺のファーストキスがコンクリートだなんて最悪だ。


「いってぇな…なんなんだまじで…」


 そうして衝撃を受けた背中を触ってみるとヌチャ…と絶対に人の背中からは感じることのないはずの感触があった。


 恐る恐る背中を触った手を確認すると…俺の手は真っ赤に染っていた。


「…は?」


 その瞬間背中にとてつもない痛みが走る


「!?!?!?!?」


 痛い、痛すぎる。刺さってる、刺さってるんだ何かが

 俺死ぬのか?こんなあっけなく?まだなにも成し遂げてない。


「し、死にたくない…」


 そんな俺の願いを拒否するようにだんだん意識を保つのが厳しくなってくる。

 きっとここで意識を失えば二度と戻って来れないだろう。

 だがこんなのは根性でどうにかなるものでは無い。


 最後に自分から流れ出る血を眺めながら…俺はゆっくりと瞳を閉じた。



【あとがき】

 皆さん初めてまして、れいんです。

 まずはここまで読んでいただきほんとにありがとうございます!

 自分今までほんとに小説とか書いたことなくてですね、これが人生初の作品になります。

 ふとサッカーの話が書きたくなって衝動的に書き始めてしまったんですけど、今まで書いたことなんかないし、酷い出来だと思うんですけど、よかったら暖かい目で見守ってください。


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