この小気味の良さ。軽妙さ。サクッと刺してくる、恐怖の切れ味。全部噛み合って最高です!
至極、変哲もない日常から、ほんの少し踏み出してみると、そこには全く別の世界が広がっている。 暗い急な階段を登る。降りて行くのではなく登ってゆく。目の前には急峻な段。その一寸先は、闇。 一段、二段、三段。そこ迄はまだ此岸。四段目にして初めて目の前に広がるもの。予想だにしなかったものが、そっと語りかけてくる。 四段落で構成される短い話の数々。それを、楽しみに読む。