第5話

雷の音が遠くなり、徐々に雨が小降りになってきた。停電が解除され、部屋の中にほんのり明かりが戻ってきた。夏と瑠璃はソファで横になりながら、窓の外を見つめていた。ねこまるは、静かにその場に座っている。


「もうすぐ電気が戻りそうだね」と瑠璃が言った。「これからどうする?」


「ゲームも再開できるし、私たちの時間も戻るのかな」と夏が応じる。少し寂しそうにねこまるを見つめていた。


「そうだね、まる」とねこまるが言う。「もうすぐ私の世界に戻る時間だまる。」


「本当にありがとう、ねこまる」と夏が深く頭を下げた。「君が来てくれたおかげで、いろんなことに気づけたよ。」


「私も君たちと過ごせて楽しかったまる。君たちの心が通じ合う瞬間を見ることができて、嬉しかったまるよ」とねこまるが答える。


「でも、どうしてゲームの中から出てこれたの?」と瑠璃が聞いた。「また、どうやって会えるのかな?」


「雷のおかげで、私の世界と君たちの世界が繋がったまる。でも、私の世界に戻ったら、またゲームの中で会えるまるよ」とねこまるが説明する。「君たちがまたゲームをする時には、きっと会えるまる。心の中で私を思い出してねまる。」


「うん、絶対に忘れないよ」と夏が微笑んだ。「ゲームの中でも、ねこまるとの思い出は大切にするから。」


「私も君たちのことを忘れないまるよ。これからもお互いに良い時間を過ごしてねまる」とねこまるが言い、ゆっくりと立ち上がった。


「それでは、またねまる」と言いながら、ねこまるはふわっと輝きながら消えていった。部屋に残ったのは、ほんのりとした猫の匂いと、穏やかな温かさだけだった。


電気が戻り、部屋が明るくなる中、夏と瑠璃はお互いに見つめ合い、自然に微笑み合った。ゲーム機もまた使えるようになり、二人は少しだけゲームを再開することにした。


「ねこまる、また会えるといいね」と瑠璃が言いながら、ゲームの画面に視線を戻した。


「うん、また絶対に会えるよ」と夏が頷き、ゲームのスタートボタンを押した。二人は、ねこまるとの思い出を胸に、再び一緒に遊ぶ楽しさを取り戻していった。

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