第12話 夏休みの予定1

8月、期末テストも終わり夏休みに入った。


夏休みは特に予定も無いし朝早くにお弁当を作るために早起きもしなくてもいいので、ダラダラして過ごしていた。何より、両親が帰ってきているため家事もしなくていい。


最高だ。


だが、そんな素晴らしい夏休みが終わりを迎えようとしている事に僕は気づいていない。


ピコンッと携帯がなった。

通知を見てみると緒方さんからだった。


『ねぇ』


僕は思った。

ここで既読を付け、返信をしてしまうとダラダラした生活ができない。


僕は無視することにした。


あとで、『携帯もってなかった。』とか言っていい訳すればなんとかなるだろう。


そう思い、漫画の続きを読む。

しかし、


ピコンッ

ピコンッ

ピコンッ


続けて通知がなる。

どうせ緒方さんだろう。


ピコンッ

ピコンッ


まだなる。


そして電話がなった。


着信元は緒方さんだ。はじめは無視をした。が、また電話が鳴るので諦めて出ることにした。


「もしもし」

「やっとでたー」

「何回もメッセージ送ったんだよ」

「電話もしたし」

「なんで出てくれなかったの?」


ここで、正直なことをいってはダメだ。僕は素晴らしい夏休みを過ごすことを諦めない!!


「ごめん。ちょっと今忙しくてさ」


「えっ、そうなのごめん」


彼女は謝る。


「それじゃー要件だけ言うね」

「夏休み一緒に遊ばない?」

「私、行きたいところとかがあるんだー」


やっぱり、僕はこの事を想定していたため用意していた言葉で答える。


「ごめん。夏休みは予定が入ってて遊ぶのは無理かもしれない」


よし、こう言っとけばもう大丈夫だろう。


「そうなんだ」


残念そうな彼女の声を聞き申し訳なく感じたが、すまない、僕の夏休みを守るためだ。


「ごめんな」


そう僕は返した。


「いつまで?」


彼女がいきなりきいてくる?


「そのいそがしい用事っていつまでなの?」


やばい、僕は想定になかった質問をされ焦る。


「えっと...ちょっと今親戚の家だからいつまでか分からないかも...」


苦しまぎれの嘘。

これは失敗したかと思ったが。


「そっか、分かったよ」

「予定が空いたら教えてね」

「それじゃ」


「うん」


勝った。


が彼女は残念そうだった。僕は1日くらい遊びに行くのも良いと思ったが、こう言った以上もう貫き通すしかないと思った。


そして夕方、


コン、コン

ノックがなる。


「入るねー」


母さんの声だ。


「ねぇ、少しおつかいに行ってきてくれない?」

「そこのスーパーまででいいからさ」


「嫌だ」


僕は即答する

そこのスーパーと言っても片道10分はかかる。


「どーせ1日中ゴロゴロしてただけでしょう」

「美咲にはお兄ちゃんとおつかい行って来てって言ったからもう準備はじめちゃったし」


何してくれてんの???


「えー嫌だよ、外まだ暑いじゃん」


僕はもう少し粘る。


「お釣りはあげるから」


「よし、分かった行こうか」


僕は素直に承諾した。


「ありがとね」


そう言われてメモ用紙を渡される。


『料理用の醤油、人参、ジャガイモ、玉ねぎ、白滝、豚肉の細切れ、牛乳、コーヒー』


多いな、にくじゃがの材料全部ないなら諦めればいいのに。


「はい、あとお金ね」


そういわれ、2000円渡される。


ギリギリじゃない?こんなのぜんぜんお釣り帰って来ないじゃないか。


はぁー


僕はため息つきながらも妹と一緒にスーパーへ向かうことにした。



長くなったので2話に分けます。




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