第2話 連絡先
昨日は災難だった。
昼休憩に緒方さんと話してから先生の所に向かい軽い説教、その後他の先生に配布物やら伝言を頼ま
れ、気づけば休憩が終わるチャイムが鳴った。
挙句の果てにお昼ご飯を食べてない僕は午後の授業でお腹がなった。
その時のクラスのみんなの視線は忘れることは二度とないだろう。とても痛かった。
そして僕は誓う、今日はなにが何でもお昼休憩は守り抜く。と
そう誓ったはずなのに、
「今日もここにいるんだね」
彼女は今日もここへ来た。
「昨日はすごかったね」
彼女はニヤニヤしながらそう言ってくる。
僕は少し苛立ちながらも心の中で「いただきます」といいお弁当を開ける。
「私もここでお昼ご飯を食べても良い?」
なぜ?と疑問に思うが、
「別にいいけど」
「ありがとう」
本当は断りたかった。
なぜならクラスの人気者と陰キャが同じ空間にいたらどうなるか。答えは簡単、沈黙が続き気まずくなるのだ。ただ僕はこのチャンスを逃さない。彼女も気まずいと思えばもうここには来ないと思った。だから僕からは話しかけない。絶対に。
そして気まずい雰囲気が漂うなか昼休憩は終わり僕は勝ちを確信した。
そして次の日
「な、なんで?」
彼女は今日もここへ来ていた。
しかも僕が来るよりも早く。
「今日もここで食べるでしょ?」
彼女は笑顔でそう言う。
「まぁ、そうだけど」
彼女の意図がわからない。
僕は彼女と初めて喋ってからずっと「?」しか出てこない。
僕が考えてることを断ち切るように彼女は言う。
「携帯出して」
「え、なんで?」
「持っているでしょ?」
「持ってるけど...」
「じゃぁ出して、連絡先交換しよ」
?????????
なんで?
これで何度目かわからない。「なんで」と「?」がでてきたのは。
僕は流されるまま彼女と連絡先を交換した。
そして彼女は校舎にもどって行った。
この日の昼休憩は僕は久々の一人にもかかわらずお弁当を食べながらずっと彼女の意図は何なのか考えていた。
そして、夜一通の連絡が来た。送り主は香織こと緒方さんだ。
『明日からは私も体育館裏でご飯を食べるから』
僕はこのメッセージに圧を感じてしまい、
『わかりました』
としか送れなかった。
カチッ
音がなり363→362になる。
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