僕と君の残された時間

@okome012

第1話 出会い

ある日、変な夢を見ました。


大切な人が遠くにいく夢を。


けれど、その人が誰なのかは僕にはわかりません。






新学期が始まり、1ヶ月が経とうとしている5月頃のこと。


こんにちは、

僕の名前は御薬袋 一翔(みない かずと)。


ただの高校2年生であり友達がいない陰キャボッチと言うやつです。


ま、まぁ友達が居ないなら居ないなりの生活を過ごすだけだし、変に目立つよりは影に徹する方がいいと思う。うん、そうに違いない、よね.....?


それは置いといて友達がいない学校は全く楽しくないない!と、言いきればそれは嘘になる。


僕は学校生活で唯一楽しみにしている事がある。それは、そう!今!この時間である!

晴れた日、ちょうどいいそよ風、そして誰もいない静かな体育館裏。


僕はこんないい場所でお昼ご飯を食べられる事を毎日楽しみにしている。


「いただきます」


そう言い僕はお弁当を開けた。その時だった。


「好きです。俺と付き合ってください!」


近くで男の人の声がした。

僕は気になったので影から見ることにした。


そこにいたのは同じクラスの人気者の女子となかなかカッコいい男の人がいた。


そして、


「ごめんなさい」

「あなとは付き合えません」


あ、振られた。


僕はそっと男の人に向けて手を合わせた。

ご愁傷さまです。


男の人は落ち込んだ様子で戻っていった。


告白も終わったの僕はお弁当を食べようとした時、


「ねぇ」

「ここで何してるの?」


突然さっきの女子に話しかけられた。


「うわっ」

「な、なんですか」


さっき覗き見していたのがバレたのか?

これからシメられるのか?

覗いていたのを言いふらされて虐められるのか?


そんなネガティブなことが頭の中の中をよぎる。


だから僕はとっさに、


「ごめんなさい!」


ここで誤っても意味がないかもしれない、しかし誤って許してもらえるのなら.....。

僕は彼女の顔を伺う。


そして、


「何?」

「どうゆうこと?」


予想外の反応に僕は少し驚いた。


え?


さっき覗いてた事を怒りにきたんじゃないの?


僕の頭には「?」が浮かぶ。


その表情と今の会話で彼女は理解し、


「さっきの告白を覗いてたことを言われると思ったの?」


と、ニヤけながら言ってきた。


?????


僕の頭の中は「?」が増えた。


そしたらなんでここにきたんだ?

なんのために?


ますますわからない。


「そ、そしたら何でここに...?」


とっさに疑問に思っていたことが口にでた。


彼女はムッとした表情で


「用がなきゃここにきちゃダメなの?」


彼女を怒らせたと思った僕は焦って答える。


「いや、別にそういうんじゃないけど...。」

「じゃぁ、なんでそんな事いうの?」

「私の事嫌い?」


なぜそうなる?


「ただお互いに名前も知らないのになぜ話しかけてきたのかなぁと思っただけです。」


「え!?」

「私のことしらないの!?」


「いや、全く知らないわけではないですよ」

「名前を知らないだけで...。」


僕は言っては言ってはいけない事をいってしまったのだろうか?


「はぁーー」

「そこからかーー」


はぁーーー


彼女は大きなため息を2回ついた。実際は一回だが僕にはわかった。2回目は口に出さなかったが、確実に彼女は2回ため息をついた。絶対に!!!!!!


「それじゃー自己紹介するね」

「私の名前は緒方 香織(おがた かおり)」

「2年A組で君と同じクラスのはずだよ、御薬袋一翔くん」


同じクラスだということは知ってる、クラスで見たことある顔なのは分かっていたから。


それよりも緒方さんが僕の名前を知っていることに少し驚いた。僕はクラスで目立つことがなく自分の名前を知ってるのは先生くらいだと思っていたから。


あと「そこから」と言うのはどういうことだ?「そこから」とはどこからなのだ?


僕はそう思ったが口にはしないようにした。その方が良いと思ったから。


「それでどうしてここに?」


僕は再び同じ質問を彼女に投げかける。


彼女はまたムッとした表情をしたが、すぐに答える。


「君の事が気になったから」


は?

どういうことだ?


「それとさっき授業が終わったあと先生が君のこと探していたのを伝えにきた」


あ!!!


そういえば忘れていた、授業終わりに「来い」と呼ばれていたんだ。

僕は慌てて弁当を片付ける。

箸と一度も手をつけてない弁当を。


そしてお昼ご飯を食べられないまま急いで先生の所に向かおうとしてる僕をみて彼女は笑顔で手を降っていた。


くそっ、

僕の唯一の楽しみが、


彼女は僕の悔しそうな笑顔をみて喜んでいるようにみえたが、最後の彼女の笑顔がとても可愛く見え

たのは事実だ。


こうして僕の◯◯な1年間が幕をあげる。





カチッ

音がなり365→364になる。

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