第8話
――領地境付近の村・畑――
「さて、私の魔法が実戦でどれだけ通用するか」
私は、冒険者の登録を
*
この世界では、魔物と他の生物との間には、明確な違いがある。
これらの考え方は、この地に伝わる『神話』に由来するものであった。
植物と人を含む生物――動物や鳥、魚や爬虫類、両生類等は、元々、この星に生まれた者達で、後からこの星にやって来たのが、昆虫や魔物という
それに対し、昆虫等の外骨格の生物は、構造的にも、生態的にも、異なる部分が多く、別物と
更に、その
『魔物』には、『核=コア』というモノが、存在しており、彼らの全ての活動エネルギーは、そこから供給されている。その為、その『
つまりは、外見が、どんなに人や獣、昆虫に似ていたとしても、『
それ
*
で、今回の
私は、
シャリン、シャリン、シャリン。
氷が
「へぇ~。本当に一瞬で灰になるんだ」
「お見事です。三頭同時に討伐ですか。これで依頼達成ですね」
私に声を掛けて来たのは、『
彼女の役目は、依頼達成の確認と魔物の生態の調査。どうやら、魔物討伐の依頼の際には、彼女のようなサポート役が付くらしい。
「お若いのにやりますねぇ」
「貴女だって、若いじゃないですか」
「確かに『
「確かに、それは、そうかもしれませんね。ハハハハハ」
私は、思わず
聞くところによれば、彼女は、日本で言うところの高校を卒業したばかり。私から見れば、かなりの
「ですが、こんな小さな
「同行しているのは、魔物討伐の時だけです。魔物は討伐してしまうと消えてしまう事がありますから、誰かが確認しなければならないのです。それ以上に、魔物の生態調査を国が
「なるほど。そこは、冒険者と同じって事ですね」
「はい。危険な魔物の討伐には、冒険者同様、経験豊富な
「へぇ~」
「それから、レアケースにはなりますが、名のある有名な魔物や災害級の魔物に関しては、
「討伐すれば、
「そうですね。目立つ魔物であれば、
「そんな事はしませんよ」
「それでは、依頼達成の書類をお渡ししますね。これを受付に提出して換金して下さい」
「ありがとうございます」
私は、依頼書に達成の印の押された書類を受け取った。
「では、戻りましょうか」
「そうですね」
私達が村に戻ろうとした時、事件は起こった。
「おーーーい。そこの冒険者さん。助けてくれっ!」
「何かあったんですか?」
「あんた、
「はい。私が
「そうか……」
助けを呼びに来た体格の良い村人は、私の方を見て、
「何か、あったんですか?」
「そうだった。
「狼の群れですが……。確かに、今から応援を呼んでも
「僕じゃダメなんですか?」
「いや、それはさすがに……」
「僕は、中級魔法までなら比較的自在に
「ですが、この手の依頼ですと銅等級以上のランクの冒険者でないと……」
「そうだぞ。お勉強と実戦は、
「そうですか――」
その時、私は、無言で『水の杖』を
「おい、いったい何をする気だ、坊ちゃん?」
シャリン、シャリン、シャリン。
シャリン、シャリン、シャリン。
「う、
「これでも僕には
「しかし――」
「
「分かりました。ギルドへの応援は、貴方に
「それは、
「では、急ぎましょう。
「分かってます。
「おい、くれぐれも
「ええ。応援の方、お願いします」
「ああ」
「では、行きましょう」
私達は、森へと急いだ。
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