第7話 愛と幸せ
僕が覇王になってから7年の月日が流れた。
「会長、あんた、結婚しないのか?」
周りの友達はほとんどみんな結婚していた。
「……ケンタロー君、君に訊きたいことがある。」
先輩から託された最後の夢「幸せになること」
自分の中で愛を知ることができたと思ったら今度は「幸せとは何なのか」について考えるようになっていた。
「なんだ?」
僕は冒険者養成学校からの知り合い「ケンタロー」に訊いた。
「ケンタロー君、君は、結婚して幸せかい?」
「そりゃあもう!!いつも大好きで愛してる人と一緒にいられるって、最高の幸せだと思うな!!」
「そうか。」
「おい、冷たくね?」
「もう1つ、質問いいか?」
「あぁ、まあ…」
「もしも、自分が今死んだとする。その後数年経ってから君の結婚相手は別の人と結婚した。その時、君ならどう思う?」
「なにこれ、心理テスト?」
「あ、いや、そんなつもりは…」
「まあでも、そうだな…俺にとっては愛する人の幸せが一番だから、結婚しようがしまいが、その人が幸せならそれでいいかな。」
「嫉妬とかは…」
「そりゃあ多少はするけど、でも、その人の幸せには代えられねえよ。」
「分かった、ありがとう。」
「おうよ!!」
そうか、じゃあ、こっからの人生は自由に生きるとしよう。
いろんなところを回って、幸せとは何かを考える旅をしようと思う。
それで、自分がマリ先輩と同じくらい愛せる人に出会ったらその人と結婚しよう。
そうして、きっと幸せな生活を手にしてみせる。
先輩、あの時、愛を知らない未熟な弓使いを愛してくれてありがとう。
俺、先輩の納得のいく人生を歩めるかな…
いや、歩んで見せる。
そうじゃないと、僕は僕を許せない。
先輩、
end
未熟な弓使いは愛を知らない 作島者将 @saku-1
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