決着 7-6
家に帰ってお風呂に入ると殴られた箇所が見事に腫れているのが分かった。
食事の際も母にどうしたのか聞かれたが階段で転んだと誤魔化した。
食事を終え二階に上がり自分の部屋には行かず橘凜の部屋の前で立ち止まっていた。
「よし」
意を決し、ドアをノックする。
「橘さん、今大丈夫ですか?」
「うん」
控えめに聞こえてくる声を聞き静かに部屋に入る。
「ごめん!」
部屋に入るなりスライディング土下座をかます。
「昼休みの事、勝手な行動して橘さんなりに考えがあっただろうに」
床に頭を下げ一息に言う。
「あ、頭を上げて」
そう言われ、どこか困惑した声で言う橘さんに、申し訳なく思い顔を上げる。
「その、今日の事は済んだ事だし大丈夫だから」
「でも...何か考えがあったんじゃ」
「うん、私は何もしないつもりだった、ただことが過ぎるのを待とうと思ってた」
そう。橘さんは自分で考えて何も言わず何も行動には移さずただじっとしていたのだ。
俺みたいに考えもなしに感情的になって行動せず。
それなのに。
「ごめん」
自分の愚かさに嫌気がさし、再度頭を下げる。
「大丈夫だから大原さん達も、もうやってこないと思うから」
それを聞いて頭を上げる。
「それより顔大丈夫?」
「あ、これ全然大丈夫」
「ちょっと待ってて」
そう言うとそそくさと部屋を出ていってしまう。
――――
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