4話 変化 4-1

 ある日の昼休み。

 いつものように屋上に足を運んでいると。

「なおくーん」


 俺の事をそう呼ぶ声がする。

 あだ名と言っていいかわからないがそんな風に呼ぶのは一人しかいない。

 振り向くと陽菜がこちらに向かって歩いてくるのが見える。


「どこ行ってるの、お昼一緒にどう?」

「どうって言われても...」

 追いついた陽菜が横に並び歩きながら問うてくる。

「友達はいいのか?」

「今日は断ってきた」

「あ、そう」

 短く答えるが陽菜は気にした様子もなくそのままついてきた。

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「風が気持ちいいね~」

「そうだな」

 気の抜けた声で言った陽菜に短く答え適当な所に座り購買で買ったパンを食べる。


 それに気づいた陽菜も持ってきたお弁当を広げて食べ進める。

「制服汚れるぞ」

「大丈夫だよ」


 俺は気にしないが女子の陽菜は気にするかと言ったが気にした様子もなく弁当を食べていく。

(気にしすぎか)


 内心ぼやきながらパンを一個、二個と食べる。

「それだけでたりる?」

 もうそろそろ食べ終わるかという時に陽菜が言う。


「うん、たりると思う」

「思うって...これ、わけてあげる」

 そういい中身が半分ぐらい残ったお弁当箱を渡してきた。

 「お腹いっぱになっちゃった、食べてよ」

 ――

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