再婚1-4

リビングに行き食卓を見ると普段ならみられない豪華な食事が並んでいる。お寿司にピザ、唐揚げなどどれもお祝いごとや特別な日にしか食べられないものばかり。こんなに豪勢だと何から手をつけたらいいか迷ってしまう。橘凜に視線を向けると今か今かと待ちきれない様子で料理に目を奪われていた。(あんな表情するんだ)ふとそう思った。

「さあさあお待たせしました、食べましょう!」

「「いただきまーす」」

 みんなで手を合わせ声をあげるとみなそれぞれが好きな物を自分の皿に取り分け、食べていく。今日は朝から掃除や母親の手伝いなど動きっぱなしでお昼の休憩を挟んだもののいつもよりお腹が空いていて食が進む。以前顔合わせの時は緊張していたこともあり、食はすすまない、料理の味はしないで散々だったが今日は普通に食べれているので一安心だ。

 とは言え、まだ少し緊張している自分がいる。

「良かったー直人君普通に食べれているね」

「え、」

 食べ進めていると、直久さんがそうなことを言う。

「いや初めて会ったときは緊張してたのかあまり食べれてなかったから、今日もどこかの店で食べようかって話てたんだけど僕が家の方がリラックス出来るんじゃないかと思ってそうしてもらったんだ」

「そうだったんですね」

 母親に視線を向けると小さくうなずく。(俺なんかに気を遣って...。)

 「すいません気を遣わせてしまい。まだ少し緊張してうまく話せないかもしれなせんが必ず普通に話せるようになります。」

 気づけば席を立ちそう告げていた。ハっとし顔を上げると。

「気を遣ってなんてないよそれに自分を卑下するもんじゃない、僕も少しでも早く家族になれるよう頑張るよ」

 そう言った直久さんはあの時と変わらない爽やかな笑顔だった。

「さ!食べましょ食べましょ!」

 母親がしんみりした空気を変えるように明るい声で言うとみなそれぞれ食事を進めた。

「おいしかったー」

「いやーこんなに呑んだのはいつぶるだろうか」

 両親の気の抜けた表情をみて(なんかいいな)自然とそう思った。

「ごちそうさまでした」

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