再婚 1-2
これが両家初顔合わせ。挨拶をし、自己紹介をしようとしたが緊張しているのか声が出ない。察した母親が俺の背中をパン!と叩く。ハッとさせられ緊張し、ぎこちないながもなんとか言葉を紡いだ。
自己紹介も済ませ各々料理を注文したが緊張からか料理が喉を通らない、味がしない。親同士はこれまでに何度も会っているんだろう、何気ない会話をし楽しんでいる。連れ子も二人の話に相づちを打ち時折会話に混ざり打ち解けている。俺だけがこの場になじんでいない、父親になる直久さんも話を振ってくれてなんとか距離を縮めようとしてくれているが俺がダメだった。
話に対して、うん、はい、などの返事しか出来ず会話を終わらせてしまっている。空気に耐えきれず隣の席に座る母親に聞こえるぐらいの声量で「ごめんトイレ」と、その場から逃げるようにトイレに向かう。
「はぁーなにやってんだ」
トイレにつくなり自分のふがいなさに深いため息が出る。いったんここまでを整理して落ち着こう。
親が再婚して新しく父親が出来る事。その父親になる人は橘直久さん。それはいいとして問題は連れ子の方だ。
予想に反し女の子だったとは母親に再婚の話を伝えられた時にしっかり聞くべきだった。確か名前は「橘凜」《たちばなりん》
初めてみて真っ先に思い浮かんだのが「容姿端麗」という言葉だった。あの子を見たときこの言葉の意味が理解できた気がする。
年齢は17歳で同じ、学校も転校という形で同じになるらしい。まあ学校が同じだろうが住む家が同じだろうがあまり関わることはないだろう。直感だがそんな気がする。そんなことを考えていると携帯が振動したのが分かった。確認すると「早く戻ってこい」
とのこと。出る直前ため息を吐き三人の元へ。
「早く終わらないかな...」
ーーー
席に着き味の分からない食事に手をつけようとしたら視線を感じチラと目を向けると橘凜と目が合う。何かと思い首をかしげるが何かを言うわけでもなくただこちらを見ている。目が合っているのに気恥ずかしくなり、料理に視線を落とす。(なんだろう)
そんなこんなで初顔合わせは無事?終わり解散する流れとなった。お会計の時親同士が「ここは僕が」「いや私が」とどっちが支払いをするかで、もめていたが端から見ればイチャイチャしているようにしか見えずどっちでもいいから早く帰ろうと内心つぶやき支払いが終わるのを待った。その間橘凜と二人になったので会話をしようとしたが何を話せばいいのか分からずただ静かな時間が流れたいた。
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