親の再婚をきっかけに俺の人生が一変した
はっしー
第1話再婚 1-1
「再婚することになった」
ある日それは唐突に伝えられた。晩ご飯を食べている俺を横目に母親は一人ごとのように言った。
俺は何を言ったいるのか分からずポカーンとしてしまった。言葉が返ってこなかった事が不思議に思ったのか母親は俺の方を見て深くため息を吐いた。「だから、結婚することになったから。伝えるのが遅くなったけどそういうことだから」あきれ気味に言う母親に、いやそう言われても。と内心突っ込んだ。詳細を聞こうとしたが足早に自室に戻ってしまったので聞くことができなかった。「明日聞けばいいか...」そう独りごち自室に戻り翌日に備え眠る事に。が、母親に伝えられた事が衝撃的すぎてその日は一睡もすることが出来ず翌日を迎えた。
――
学校に着いてからも気になり授業どころではなかった。先生の話も右から左に流れあっという間に放課後を迎えた。
帰りも相手はどんな人なのか、もしかして連れ子がいてその子と義兄弟になるのか向こうがこっちの家に来るのかはたまた逆にこっちが向こうに行くことになるのか他にも色々な事が気になり考えているとあっという間に家に着いた。
家の玄関を開けると母親が仕事から帰ってきているのが分かった。いつもならもう少し遅いのに珍しい日もあるんだな。これなら聞くチャンスもあるなと、リビングに行くと何やらバタバタしている母親の姿があった。どこかに行くんだろうかと見ていると俺が帰ってきたのが分かったのか「これから顔合わせだから準備して」と言う。訳が分からず聞き返そうかと思ったがとてもそんな空気じゃないのが伝わってきて渋々着替えることに。
車で移動し指定の場所に着くと、「もうあちらさん着いてるから」と小走りに店の中へと入っていく。
母親の後ろをついて行く形で店の中に入ると呼吸を整えながら店の中にいるであろう相手を探す。
少しすると「京香さんこっちです!」母親の名前を呼ぶ声がする。母親につられて声のした方に目を向けると柔やらかな表情でこちらに手をふっている、男性の姿がある。あれが母親の再婚相手で俺の新しい父親だろう。男性は身長は俺とあまり変わらないぐらいで体型も少し痩せ気味な、いたってどこにでもいそうな人だ。すると男性の影に隠れていたのかもう一人姿を現す。緊張しているのかぎこちなくこちらに会釈をする。それにつられるようにこちらも会釈をする。
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