第7話 カッコつけなきゃカッコよくなれない
「カッコつけるのはダサく、ナチュラルにカッコいい人が最高」という空気が前の世界ではあったりしたが僕、いや俺はそう思わない。
カッコつけても自分磨きを怠り態度に見合わないから他人にダサいと思われる。
俺が前世で好きだったL○Hのアーティストなんかはカッコつけてるがそれもナチュラルに見えた。
俺もそのようになりたいと思う。
夕方、家に帰った後シャワーを浴びながらそんなことを考える。
「さてさてさ〜て。身体を拭いてドライヤーしたら配信でもしますか。」
たまにはエゴサでもしてみるかな?
零は自分がチヤホヤされるのは好きだが、社会で自分がどのように見られているのかは興味無かった。しかし最高にカッコよくなるためには相手にする人の意見を聞かずしてなれないと判断した零はλを開いた。
「うわっ、タイムラインが俺ばかりだな。」
いくら下にスクロールして言っても零の話題は尽きない。
「なになに?''ゼロ様のチャンネル登録者数200万人突破!初配信アーカイブは4000万回再生・愛してるボイスの切り抜きは7000万回再生!''もうそんなに伸びてるのか。バクレベルだな」
零は暇な時間は勉強とモンハソをしていた為自分のチャンネルがこんなにも伸びているとは思っていなかった。
「これは記念配信しないとダメだなぁ。」
今の登録者数を確認すると287万人。
さっきの投稿が5時間前だったから、5時間で90万人近く増えたってことか?
この調子ならあと1時間後には300万人突破しそうだな。
俺はλに告知を出した。
''300万人待機&記念枠 沢山話そうか''
宵つべで最も見る人が多い7時あたりに始めようか。
「かあさーん。ご飯作って。」
リビングに居る母さんに向かって頼む
「何かリクエストとかあるの〜?」
「ペペロンチーノお願い!」
「すぐ作るからねー。」
零は髪を乾かし終えると、椅子に腰を下ろし、配信用のセットアップを整え始めた。画面に映る自分の姿を確認しつつ、カメラの位置や明るさを微調整する。
「よし、これでバッチリだな。」
ヘッドセットを装着し、マイクの音質をテストする。配信準備を終えると、再びλを開いてコメント欄を覗いた。
‘‘記念枠待機してます!’’
‘‘ゼロ様の愛してるボイス、また聞けるかな?’’
‘‘300万人突破とかスゴすぎるんだけど!’’
タイムラインにはすでに期待に満ちたコメントが溢れていた。零は少し笑みを浮かべる。
「みんなテンション高いなぁ。こういう時はこっちも気合い入れないとな。」
その時、母がリビングから零の部屋をノックする音が聞こえた。
「零、ご飯できたわよー。」
「ありがとう、今行く!」と返事をして立ち上がる。リビングに向かうと、テーブルには湯気を立てたペペロンチーノが置かれていた。
「さすが母さん、めっちゃうまそう。」
「あなたの好きな味付けにしておいたわよ。しっかり食べてから配信しなさいね。」
「もちろんだよ、ありがとう。」
零はフォークを手に取り、一口食べると、口の中に広がるにんにくと唐辛子の香ばしい風味に満足げな表情を浮かべた。
「うまいなぁ。母さんの作るペペロンチーノはやっぱり最高だよ。」
「ふふっ、そうでしょ?配信、頑張ってね。」
零は短時間でしっかりと食事を済ませ、再び自室に戻る。パソコンの前に座り、宵つべの配信画面を立ち上げる。
「さて、いよいよ300万人突破記念配信スタートだ。」
スタートボタンを押し、画面に自分の顔写真と「待機中」の文字が映し出されると、コメント欄が一気に賑わい始めた。
‘‘きたあああ!’’
‘‘ゼロ様待ってました!’’
‘‘300万人おめでとう!’’
まだ待機中なのにかなりの数のコメントが送られてくる。「じゃあ、予定とは違うけど始めますか。」零はカメラとマイクの電源を入れた。
「みんな、ありがとう!」零はカメラ越しに微笑みながら挨拶をした。「ついに登録者300万人達成できたよ。これも応援してくれてるみんなのおかげだ。本当にありがとう!」
コメント欄は祝福と喜びの言葉で溢れかえり、画面にはスパチャが次々と流れ込んでいく。
「今日は特別な記念日だから、みんなとたくさん話そうと思ってる。質問とかもどんどんしてくれていいよ!」
コメント欄には早速質問やリクエストが投稿され始めた。
‘‘初配信の話を聞きたいです!’’
‘‘愛してるボイス、もう一回!’’
‘‘これからどんな配信がしたいか教えてください!’’
零はその中からいくつかのコメントを拾いながら、笑顔で答えていく。
「初配信の話ね…あれは緊張したなぁ。でもみんなが暖かいコメントくれて、すごく助けられたよ。」
こうして零の300万人記念配信は、始まりから視聴者たちの熱気に包まれ、最高のスタートを切った。
次の更新予定
零・逆転世界で配信者になる 黒猫亭 @taropa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。零・逆転世界で配信者になるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます