食べものの怨みは誰でも強い…
「俺から先に言うな?」
「はい、どうぞ…」
妖かし相手にこんな漫才みたいなる思てへんかったわ。
まあ、そらええとして…
「お互い一回冷静になろか」
「僕は今ので落ち着いたよ」
「ほな質問すんで、
じぶんは九尾なん?」
「は?あんたはヒトなんだろ?」
…??
「だから、『じぶんは?』聞いてねん」
「あんた何言ってんだ??」
「『あんたは九尾ですか?』って言っとんのや!」
「そうだが…?」
あ、もしかして通じてへんかったんか。
「あー、ハイハイ。悟ったわ。」
「…何を?」
「ほんで、ここはどこ?ヤバそうな空の色してはるなぁ」
「……ここは僕らの世界だ。
あんたらのとこでは『異世界』だの『
あんたはどうやって
『異世界』なぁ。
確かに空の色は紫水晶みたいに透き通ってるし、でもすこぉし柘榴石が入ってんなぁ、
雲はムーンクオーツとギベオンで木ぃは…
「…」
「なぁ、聞いてるのか」
「翡翠…、いや
「おい、質問に答えろ」
「……ん?」
「僕の話をちょっとくらい聞け!!!!!!」
「なんでおこッ――」
これ言ったらあかん気するわ。
何言っとった…?
なんて質問されてそうや…?
考えろ、考えろ俺…
「…俺は
キツネ好きやで…?」
「はぁ…?」
「めっちゃキツネ好きよ!俺も油揚げ好きやし」
反応怖すぎてあいつの顔見れへん…
「…」
「そんで子どもの頃なぁ、油揚げ好きすぎてこの神社の境内に供えてあったやつ食べてしもたんよw」
「ザワザワザワ…」
「ほんでな?」
え、ざわざわ言うとる??
なんかの毛並みが逆だっていくようなこの音ぉ…
なんの音やr――
「…ば、ばっ、化け狐ぇ!?
なんやじぶん!?俺の話つまらなかってそうなったんか!?」
あいつ、おっきな化け狐に成りよった!?
でも、綺麗な毛並みしてんなぁ。目ぇも
ってそんな事考えてる間ぁ無いって!
『違う。
お前が僕の話を聞かないまでは我慢できた。
だが許せん……
あのときの美味しい僕の油揚げを食べたのはお前だったのか!!!!』
「そんなことかいっ!!」
『そんなこととはなんだぁぁ!!!!!!!!!』
「うわっ、またおっきくなりよった…
道頓堀のグリ◯くらいあるんちゃうか…」
「なんなんだそれは?」
「もとに戻りよった…」
こいつほんまによぉ分からへんなぁ。
めっちゃ好奇心旺盛やし。
まあ、飽きひんけど。
「道頓堀の◯リコっちゅーのは…」
「「「せーんしょーさまー!!
「もうそんな時間か。迎えが来たんだがあんたも一緒に来るか?」
「…え?」
***********
【次回 「ちっちゃい三人組」】
「じぶん、尖晶って名前なんやな。瞳とおんなじ色の宝石やわ」
「そーゆーあんたの名前はなんなんだよ。」
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