繧√〒縺溘@繧√〒縺溘@

◇◇◇

「やあ、こんにちは。チューニングは合ってるかな。俺の声が聞こえる?」

『ここは……』

「ああ、よかった。かれこれ五日間ほどフリーズしていたから、自我の解凍が間に合わないのかと思った。ここは、きみが命を落とした場所だ。動かざるセーブポイントのようなもんだな」

『いのちを?』

「そう。きみは気の毒に亡くなってしまった。同じ世界にいるけど、レイヤーが一枚違うんだ。薄膜を隔ててもう生者の中では暮らせない。夜中の運動会はないけど、それなりに楽しく暮らせるよ」

『うそ。だって、ようやく』

「大丈夫。その幸せは、まだ続く」


『あ……。ほんとう、に?』

「本当さ。だって物語はまだ続いているんだから。ここは、めでたしめでたしの、その先だ。ずーっと続く、きみが望む限り」

『果たして、幸せになっていいのでしょうか』

「もちろんだ。そのためにきみは生まれたのだから」


『そうですか』

『それは』

『なんだか、泣きたくなるような話ですね』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おばけの話 空空 @karasora99

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る