喜劇

秋雨

 物理的な意味としても、比喩的な意味としても、人は絶えず何かに追われているらしい。

 生命としてこの世に在る限り纏わりつく現象で、私も、隣人も、そのまた隣人も。例に漏れず躱すことが許されないで、常に背後にはそれがいる。

 この事実を、我々はどう思うべきだろうか。

 嘆くべきだろうか。

 無視するべきだろうか。

 とりあえず熟考してみるべきだろうか。

 そもそも、何かしらを思うべきなのだろうか。

 問いは絶えない。ある人にとって無意味なことですら立派なものとして扱う世の中だから、当然といえば当然だ。しかし、それを野放しにしてしまっては埒が開かない。

 だから、人々はいつだって不完全燃焼で割り切る。解決の糸口を、自らの手で闇に葬る。

 だが、この問いに関してはそう決断する必要はない。なぜなら、こうした問いを抱くこと自体、我々にはいささか早すぎる。

 さあ、この現象にどう名前をつけようか。

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喜劇 秋雨 @tuyukusa17

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